天井断熱から屋根断熱へDIY

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小屋裏収納をDIYしたので、その勢いで天井断熱から屋根断熱DIYに挑戦しました。

屋根断熱をグラスウールでDIY施工した結論は、

施工前の晴れた真夏の小屋裏は、サウナ状態で汗が滴り10分居るのが限界でしたが、

屋根断熱DIY後は、晴れた真夏はやっぱり暑いですが、床付近で温度計測を行ったところ40℃弱、

体感的には、窓を締め切った晴れた真夏の2階と同じか少し熱い程度です。

サウナだと80~100℃あるので体感的にはかなり温度が下がりました。

また、屋根裏収納には窓も換気扇も設置していないので、

階下の2階の窓を開けて屋根裏収納入り口から

扇風機を階下に向けて風を送ると

不思議なくらい階下の空気が吹き上がってきて

15分もすれば小屋裏と階下の部屋の温度がほぼ同じになります。

ただグラスウール切断作業をした日は、夜寝る時も体がチクチクしていたので大変でした。

目次

屋根断熱では通気層が必然

天井断熱から屋根断熱にするには、木材や断熱材を守るために、断熱材の外側に通気層を設けて空気を流して湿気を逃がしてあげる必要があります。

通気層がないと、室内から断熱材に溜まった湿気や万一屋根材を通して浸入した雨水を排出できなくなり、断熱材や野地板、垂木といった周囲の木部の含水率が上がって、断熱材や躯体の劣化を招きます。

屋根断熱の通気層イメージ
屋根断熱の通気層イメージ

屋根断熱DIYの断熱材選び

住宅用断熱材の断熱性能について素人なりにネットで調べた結果、

巷では評判の悪い袋入り厚さ100mmグラスウールを選びました。

グラスウールを選んだ理由は安いからです。

グラスウールを選ぶ際、グラスウールのスペック表記や単位が良くわからなかったので調べた範囲で以下にまとめました。

あまり参考にはなりませんでしたが、せっかく調べたので備忘録として残しておきます。

読み飛ばしてください!

グラスウール密度 (K)

グラスウールの10kと24kの意味は、1m×1m×1mの重さが10キロと24キロです。

グラスウール断熱材の密度10Kと24Kの違いはほとんどないようなものだそうです。

グラスウール熱伝導率 (W/m・K)

熱伝導率 (W/m・K)は、1メートルの厚みを持つ物質が、1ケルビン(1K)の温度差のもとで1秒間に伝わる熱量を示します。

1Kは温度上昇1℃と同じです。

  • 熱伝導率は、数値が小さいほど熱が伝わりにくい。
  • グラスウールは温度が高くなれば熱伝導率は大きくなります。
  • 熱伝導率はグラスウール繊維径が細くなるほど小さく、熱性能がよくなります。

一般的に、住宅用グラスウールは8μm(24℃で熱伝導率は約0.04W/m・K)程度の繊維径で、

これに対して高性能グラスウールは5〜6μm(24℃で熱伝導率は約0.038W/m・K)程度の繊維径となります。

同じ厚さ10cmで断熱材を比較した場合、

熱伝導率0.038 W/m・Kと0.045 W/m・Kでは、

0.038の方が約18.4%断熱性能が高い。

熱伝導率の目安(W/m・K)
スタイロフォームFGデュポン0.022
空気0.028
スタイロフォームIBデュポン0.036
高性能グラスウールは(アクリアネクスト)0.038
住宅用グラスウール(ポリカット R2.2)0.045
スギ0.08
ヒノキ0.09
合板0.16
ナラ、サクラ、ブナなど(広葉樹)0.19

木材は密度が高いほど熱伝導率が高くなります。
木材に含まれる水分が増えるほど、熱伝導率も高くなります。

熱抵抗

熱抵抗とは、材料の厚さにおいて、熱の伝わりにくさを表す数値です。
数値が大きいほど断熱性能は高いことになります。

熱抵抗の計算式:熱抵抗(R)=厚さ ÷ 熱伝導率
厚さ100mmは0.1mで計算

計算式から同じ材で熱抵抗値を1変えるには、断熱材の厚さが2倍必要になる。

また、熱抵抗値4m²・K/Wと2m²・K/Wの断熱材があったとしたら、

2m²・K/Wを4m²・K/Wと同等に熱が伝わりにくくするには2倍の厚みが必要になる。

熱抵抗の目安  厚さ100mm(m²・K/W)
スタイロフォームFGデュポン4.5
スタイロフォームIBデュポン2.8
高性能グラスウール(アクリアネクスト)2.8
住宅用グラスウール(ポリカット R2.2)2.2
スギ1.25
ヒノキ1.1
ナラ、サクラ、ブナなど(広葉樹)1
合板0.625
密閉された空気層
※空気層表面での熱伝達(対流と放射)の抵抗を含めた値とする
0.18

密閉されていない空気層は熱抵抗がほとんどなく、断熱性能は期待できません。

空気層が厚くなると対流が起こりやすくなり、熱抵抗の増加は限定的になります。

空気層が100mmを超えると、それ以上厚くしても熱抵抗はほぼ変わりません。

ちなみに空気の熱伝導率は約0.028W/m・Kとグラスウールよりも非常に低いが、熱抵抗はどの素材よりも悪い。

結果と解釈

断熱材のスペックを調べたところであまりピンときませんでした。

そこで、隙間なく吹き付けられた発泡ウレタン施工と袋入りグラスウールで施工された家に入って体感した方に伺ったところ体感温度はかなり違い5℃位違ったと言われていました。

使用工具

充電式タッカー、高圧コンプレッサー、釘打ち機、チップソー切断機、丸ノコ、グラインダー、マルチツール、電動ドライバー、カッター

断熱材を固定するホッチキス

断熱材を固定するホッチキス作業は上を向いての作業で大変な上に、

打ち損じるとプライヤーで抜く作業も増えて大変でした。

手動のタッカをいくつか試しましたが、素人だとかなりの頻度で打ち損じました。

マキタの充電式タッカーはパワーがあり打ち損じがなくかなり重宝しました。

※DIYで手動式タッカも使う場面があるので、玉は手動式の物が使える充電タイプを選ぶのが吉。

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手動のタッカと電動タッカ

垂木を固定する釘打ち機

インパクトドライバーで地道に垂木を設置しても良いのですが、

屋根断熱に使う垂木を民家一軒に設置する数は100本以上なので、

高圧コンプレッサーと釘打ち機があると作業がはかどります。

高圧エアコンプレッサーと高圧釘打ち機

材料

  • 垂木 赤松KD材 約30×40×1985mm(6本束)
    コメリ価格:¥1,280 x 9束= 合計¥11,520
  • 通気くん 通気くん TUK60(尺モジュール50枚入り)
    50枚入り×2 ※足りなかったので足りない分は段ボールで自作しました。
  • 断熱材 MAG ポリカット 住宅用グラスウール断熱材 435mm
    14枚(5坪入)×2 ※元々天井に敷いてあった断熱材も使用しました。
  • 気密防水テープ

作業手順

STEP
既存の垂木に通気層になる通気くんを張る

通気クンはダンボール素材のため透湿性があり、湿気の排出を妨げません。

  • TUK60 尺モジュール
  • TUK60-I インチモジュール
  • TUK60-M メーターモジュール

の3タイプです。

今回は450mmピッチの垂木に施工しますのでTUK60 尺モジュールを使います。

通気くんは、時間が経つと重力に負けて落ちてくるので、

充電式タッカで垂木にホッチキスでとめました。

母屋がある所は通気くんを滑らせて入れていかなければならないのですが、

釘が出て通気くんを入れられない所はグラインダーやマルチツールで釘を切断しました。

通気くんは100枚では足りなくなり段ボールで自作した所もあります。

通気くんを屋根垂木へ固定
通気くんを屋根垂木へ固定
通気くんを屋根垂木へ固定別角度
通気くんパッケージ
屋根合板から出る釘
屋根合板から出る釘
自作の通気くん
自作の通気くん
自作の通気くんを屋根垂木へ固定
自作の通気くんを屋根垂木へ固定
STEP
棟換気口に通気層がつながるように垂木に穴を開ける

棟木に掛かる垂木は全て、ホールソーで穴を開け通気層が棟換気口につながるようにしました。

穴をあける前の垂木
穴をあける前の垂木
垂木にホールソーで穴あけ
垂木にホールソーで穴あけ
垂木にホールソーで穴あけ途中
垂木にホールソーで穴あけ途中
垂木反対側にもホールソーで穴あけ
垂木反対側にもホールソーで穴あけ
垂木に穴あけ完了
垂木に穴あけ完了
棟木に掛かる垂木全てに穴を開けた所
棟木に掛かる垂木全てに穴を開けた所
STEP
寄棟部分は隅木に沿って通気くん下地を入れる

寄棟部分は隅木に沿って通気層を確保するため、通気くんをとめる下地を作って入れます。

下地材のカット角度はアルミ自由金 45cm 筋交タイプや15cm自由スコヤを使って素人なりに何とかなりました。

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カットした通気くんをとめる下地
カットした通気くんをとめる下地
通気くんをとめる下地1本を垂木にビス留め
通気くんをとめる下地1本を垂木にビス留め
下地2本を通気くんの幅に合わせて垂木にビス留め
下地2本を通気くんの幅に合わせて垂木にビス留め
隅木部へ新設した下地に通気くんを固定
隅木部へ新設した下地に通気くんを固定
隅木部の通気層全体
隅木部の通気層全体
寄棟付近は通気くんを延長加工
寄棟付近は通気くんを延長加工
STEP
STEP3で入れた通気層を棟木の通気層に接続する

左右の隅木が棟木に繋がる所も下地を作って自作の通気くんを固定します。

左右の隅木が棟木に繋がる所
左右の隅木が棟木に繋がる所
隅木と棟木接続部の自作通気くん
隅木と棟木接続部の自作通気くん
隅木と棟木接続部の自作通気くん固定
隅木と棟木接続部の自作通気くん固定
寄棟側の通気くん固定
寄棟側の通気くん固定
STEP
グラスウールをとめる下地を入れる

既存の垂木は40×60mmで厚みが60mmと狭く

通気層の通気くんを入れると断熱材のグラスウールを固定できないので、

既存の垂木に沿って30×40mmでグラスウールをとめる下地を入れてから、

垂木と下地垂木の間にグラスウールを切って充填しています。

グラスウールをとめる下地西側
グラスウールをとめる下地西側
グラスウールをとめる下地東側
下地の上に充填するグラスウールをカット、この後厚みは更に半分にカットしました
下地の上に充填するグラスウールをカット、この後厚みは更に半分にカットしました
下地へグラスウール充填東側
下地へグラスウール充填東側
下地へグラスウール充填西側
下地へグラスウール充填西側
STEP
照明配線を固定

屋根裏収納用照明の配線ジョイント部は、薄型のジョイントボックスに入れて固定しました。

ケーブルの固定は第二種電気工事士以上の資格が必要です。

照明の配線ジョイント部
照明の配線ジョイント部
屋根裏収納用照明VVFケーブルを垂木に固定
STEP
グラスウールを下地に固定する

棟木、母屋、桁の隙間には、三角柱の形状に切り出したグラスウールを充填しました。

寄棟部は通気層の下地と同様に、グラスウール固定する下地を追加して、充電タッカーで止めていきます。

隅木が桁に掛かる所はスチール火打梁もあって狭く全ての作業において大変な場所でした。

グラスウール1束
グラスウール1束
グラスウール1束開封
グラスウール1束開封
桁にも三角柱の形状に切り出したグラスウールを充填
桁にも三角柱の形状に切り出したグラスウールを充填
母屋にも三角柱の形状に切り出したグラスウールを充填
母屋にも三角柱の形状に切り出したグラスウールを充填
屋根断熱完了全体写真
屋根断熱完了全体写真
屋根断熱完了寄棟側
屋根断熱完了寄棟側
屋根断熱完了寄棟左側
屋根断熱完了寄棟左側
屋根断熱完了寄棟右側
屋根断熱完了寄棟右側

屋根断熱DIYでグラスウールを施工後の感想

全ての通気層が棟換気に繋がるようにコスパ良く屋根断熱DIYするには慣れない事ばかりでかなりの時間を要しました。

しかし、屋根断熱にすることで、屋根裏収納を壁で囲う必要もないかなと思います。

また、収納なので屋根も断熱材むき出しのままで良いと思っております。

最後に断熱材として袋入りグラスウールを施工した感想ですが、

断熱材の性能よりも、施工時の隙間とか、ヒートブリッジ等の影響の方が大きいので、

グラスウールが潰れないように隙間なく施工せねばならないのですが

袋入りグラスウールの防湿層ではない裏のビニールが邪魔をして大変な時間を要しました。

いっそビニールを外してしまおうかとも思いましたが、

良く観察するとグラスウールとビニールは接着されており、

もしかすると偏ったりズレたりしないようになっているのかもしれないと、思いとどまりました。

今後、断熱材を施工する機会があれば、袋なし高密度グラスウールで隙間なく充填して、

その上から防湿シートを張る方法がベストなのではと思っております。

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