ご近所の方が「粗大ごみに出すから手伝って」と言っていた古い座卓。 見に行ってみると、そこにあったのは約1500×900mm、厚み45mmという立派な一枚板でした。
「これを捨てるなんて勿体ない!」
そう思い、ありがたく譲っていただき、我が家のダイニングテーブルとして蘇らせることにしました。今回は、アングル溶接、レジン補修、そして鏡面磨きまで、古い座卓をモダンなダイニングテーブルへ生まれ変わらせたDIYの一部始終をご紹介します。
また、記事の後半では**「重すぎる天板を運ぶために4ヶ月間筋トレをした話」**も少しだけさせてください(笑)。
今回のDIY:材料と道具
材料
- 天板: 一枚板(推定:花梨 / カリン) 約1500×900mm 厚み45mm
- フレーム材: アングル鋼材 3×40×40mm 長さ5.5m
(鋼材屋さんで購入・材屋さんの高速切断機でセルフカットフリー) - 脚パーツ: フランフラン「フェールアイアンダイニングテーブル」から移植
- 接合具:
- フランジタッピング 6×30mm ×10本
- ボルト、ナット、平ワッシャー、SW 8mm ×8セット
- 塗料: シャーシブラック、サビキラー(錆転換剤)
主な使用工具
- 加工・接合: 溶接機(100V半自動)、チップソー切断機、インパクトドライバー、ドリル
- 研磨・仕上げ: グラインダー、ポリッシャー、サンダー、ヤスリ(耐水ペーパー等)、コンパウンド
- その他: 養生マット、荷締めベルト、UVライト(レジン用)
1:アイアンフレーム(枠)の製作
まずは天板を支えるための頑丈な鉄枠を作ります。
鋼材屋さんで購入したアングルをチップソー切断機でカット。四角い枠が組めるよう、両端を45°に切り落とします。 駐車場の僅かなスペースで、腰の痛みと戦いながら溶接を行いました。100Vの半自動溶接機を使用しましたが、3mm厚のアングルなら十分溶け込みます。






今回は、以前使用していたFrancfrancのダイニングテーブルのアイアン脚を再利用します。 製作した枠と脚を固定するためにドリルで穴を開け、**8mmボルト(8本)**でガッチリと固定。
試しに70kgの私が乗ってみましたが、ビクともしません!強度はバッチリです。

2:フレームの防錆・塗装
長く使う家具なので、下地処理は念入りに行います。
スコッチブライトでサビ落としと足付けを行い、ラッカーシンナーで脱脂。 その後、黒サビ転換塗料**「サビキラー」**を3回塗り重ねました。
Point:サビキラーの信頼性 以前、サビた車の屋根にサビキラーを塗って実験しましたが、2年経過してもサビが浮いてきませんでした。個人的にかなり信頼している塗料です。


目に見える部分は、車用の「シャーシブラック」で塗装し、黒に仕上げました。

3:天板の取り付け
完成したアイアン枠に天板を載せ、ドリルで下穴を開けてからフランジタッピング(6×30mm)10本で固定しました。 これでテーブルの形は完成です。次は天板の「美観」を修復していきます。




4:天板のウレタン塗装割れ補修(レジン)
古い座卓特有の、厚塗りされたウレタン塗装には何かをぶつけたような「割れ」がありました。これを100均のレジンを使って補修します。

- 割れている箇所をリューターで荒削り。
- サンドペーパー(#150, #400, #800)を使い、傷口を「すり鉢状」にならします。
- シリコンオフでしっかり脱脂。

100均のUVレジンを盛り、UVライトを照射して硬化させます。厚みがあったため、据え置き型のライトに変更し、念入りに1時間ほど照射しました。

レジンが完全に固まったら、周囲と平らになるまでひたすら研磨します。
【研磨手順】
- サンドペーパー:#150 → #400 → #800 → #1000
- 神ヤス:#2000 → #4000 → #8000
ここまで磨くと、補修箇所は四つ葉のクローバーを探す並に見つけにくくなります。




5:天板全体の鏡面磨き
座卓の古い塗装を活かしつつ、輝きを取り戻すために天板全体を磨き上げました。手作業だけで丸2日かかりましたが、その価値はありました。
1000 → #1500 → #3000 の順で水研ぎを行います。 使用したのは「コバックス スーパーアシレックス」。車やバイクの塗装でも使われるプロ愛用の研磨シートです。目詰まりしても水洗いやエアーで復活するので非常に長持ちします。


手磨きする際はアシレパッド(曲面用)、バフレパッド(平面用)が相性良いです。
ここからはコンパウンド(研磨剤)の出番です。
- 3M ハード1: ペーパーの傷を消します。この時点で美しい杢目(もくめ)が浮かび上がり、心が躍ります。
- 3M ハード2: 最終仕上げ。手磨きでも驚くほど綺麗になりました。
後日、ポリッシャーを使って仕上げたところ、手触りが別次元に進化しました。「ツルツル」を通り越して「トゥルトゥル」です。



後日、ポリッシャー磨き


編集後記:筋トレと一枚板の搬入バトル
最後に、このDIYの最大の難関についてお話しします。それは**「重量」**です。
譲り受けた際、体感重量100kgの一枚板を前に「これは何とかしないといけない」と決意。 そこからガレージに放置すること2年数ヶ月……。 私はこのテーブルを2階のリビングへ運ぶためだけにウェイトトレーニングを開始しました。
役作りに励む俳優のような気持ちで筋トレを続け、4ヶ月後。 デッドリフト120kg(7レップス)、スクワット90kgが扱えるようになった頃、ついに決行の日を迎えました。
孤独な搬入作業
筋トレの成果で、端を持って持ち上げることはできましたが、移動は3歩が限界。 しかし、以前は持ち上げることすらできなかったのですから大きな進歩です。
- ガレージから屋内へ: 角を段ボールで保護し、支点にして回転させたり、シーソーのように持ち上げて移動。
- 恐怖の階段(180度ターン): 当初は背負って登る予定でしたが、階段が狭すぎて断念。 デッドリフトの姿勢で一段持ち上げては、踏み台やバイクスタンドを噛ませて休憩……これを延々と繰り返しました。
格闘すること2時間半。 途中、バイクスタンドが転げ落ちて床が凹むアクシデントもありましたが、無事に2階へ鎮座させることに成功しました。
家族からも「今年の家庭内 最優秀DIY作品賞」と好評を博したこのテーブル。 苦労して磨き上げ、命がけ(?)で運んだ甲斐がありました。
(※注:搬入中、私の腰を守ってくれたGOLD’S GYMのプロレザーベルトにも感謝です)





ここでバイクスタンドが階段から転げ落ち床に凹みを作りました。











