【DIY時計修理】セイコー キングクォーツ(5856-8060)ニコイチ復活記!失敗から学ぶオールドクォーツ修理の鉄則

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セイコー キングクォーツ(5856)のムーブメントと復活した本体を並べたDIY時計修理のアイキャッチ画像

当時は初任給1ヶ月分を出さなければ買えなかった憧れの「キングクォーツ(KING QUARTZ)」。

外装やインデックスの立体感は、現代の1万円の時計とは比べ物にならない職人技が詰まっています。

今回は、メルカリでジャンク購入した1978年製のキングクォーツ(5856-8060)の修理記録です。数々の手痛い失敗と高い授業料を払いながらも、不動のジャンクと動作品文字盤ジャンクの2個をニコイチして現代に蘇らせるまでの軌跡と教訓をまとめました。

📸不動の「キングクォーツ(KING QUARTZ)」

分解作業前の不動状態にあるセイコー キングクォーツ本体
不動のセイコー キングクォーツ本体
電池の液漏れにより緑青や腐食が発生しているプラス端子周辺
緑青や腐食が発生しているプラス端子

📸カビが付着したインデックス「キングクォーツ(KING QUARTZ)」

分解前に風防越しに確認できる11時インデックス周辺のカビ
11時インデックス周辺のカビ
分解前に風防越しに確認できる2時インデックス周辺のカビ
1,2時インデックス周辺のカビ
目次

📦 今回修理した2つの時計の基本スペック

2個のキングクォーツは、文字盤の色と針のライン以外は製造年月日まで同じ

  • ブランド・モデル: SEIKO KING QUARTZ(キングクォーツ)
  • 型番(ケース番号): 5856-8060(薄型・高級ラインの58系KQ)
  • 製造年: 1978年(昭和53年)1月製造(シリアル「81」から判明。オールドクォーツ黄金期の個体)
  • 文字盤: 希少で人気の高いカラーダイヤル(ダークブルー、またはグリーン系)
  • 風防(ガラス): プラスチックではなく、セイコー独自の高硬度ガラス「ハードレックスガラス」
  • ベルトの型番: XQB480(一本はオリジナルだが尾錠欠品。もう一本はオリジナル尾錠付き)
  • 電池交換のしやすさ: 裏蓋にコイン1枚で開けられる「バッテリーハッチ(電池蓋)」付き
  • 購入金額: 6,400円(送料込み・ジャンク不動品青文字盤)
  • 購入金額: 5,500円(送料込み・文字盤ジャンク動作品シルバー文字盤)

警告・アドバイス

ガラスを砥石で磨いたらコーティングの様な物がまだらに削れ失敗した。ガラスはベゼルに対し薄く過度の磨きは禁物。磨きよりアリエクスプレスで汎用のサファイアガラスに交換した方が時間の節約になる。

📸風防ガラスの研磨とまだらになったコーティング

光を当てて表面の傷や微細な擦れを確認している風防ガラス
砥石で研磨途中の風防ガラス
研磨後に表面コーティングの剥がれや斑状のムラが浮き出たキングクォーツの風防ガラス
ガラスが薄く深く研磨できなかったので、研磨後に表面コーティングの剥がれや斑状のムラが浮き出た風防ガラス

🛠️ 1970年代 セイコークォーツ階級図とキングクォーツの価値

当時のセイコークォーツは、現代の「安価なクォーツ」とは正反対で、最先端技術を惜しみなく投入した高級時計でした。グレードごとに価格・精度・仕上げが明確に区別され、まるで現在の高級車のようなヒエラルキーが存在していました。

グレード代表モデル当時の価格(現在の感覚)公称精度立ち位置・特徴
超高級(雲の上)スーペリア(Super Quartz)23万~30万円(約65万~85万円相当)年差±5秒技術の結晶。水晶振動子の選別から外装まで最高峰。当時の初任給の2.5倍以上。
超高級(究極)グランドクォーツ ツインクォーツ(9943・9940系)15万~20万円(約42万~56万円相当)年差±10秒~20秒2つの水晶振動子を搭載し、温度変化を補正する究極の高精度モデル。グランドクォーツの最高峰。
高級グランドクォーツ10万~14万円(約28万~39万円相当)月差±1~5秒機械式GSの後継として誕生したフラッグシップ。仕上げ・ケース品質とも最高クラス。
高級キングクォーツ ツインクォーツ(9923・9920・9721系)8万~11万円(約22万~31万円相当)年差±20秒キングクォーツの最高級仕様。グランドに迫る精度を誇り、当時でも憧れの存在。
高級(★今回の主役)キングクォーツ7万~9万円(約20万~25万円相当)月差±10秒高級実用機の代表格。ケース・文字盤・ムーブメントすべてがワンランク上の造り。
中級・準高級QR / QT / QZ5万~7万円(約14万~20万円相当)月差±15秒初期クォーツの主力。デザインの個性も豊富。
大衆向け・普及版タイプⅡ(TYPE II)2万~3万円台(約6万~9万円相当)月差±15~20秒クォーツを一般へ普及させた代表シリーズ。コストを抑えつつ高い信頼性を実現。
高級機械式(参考)ロードマチック2万~4万円(約6万~11万円相当)※高級仕様5万円(約14万円相当)日差約±15~30秒程度クォーツ登場前の高級実用機。56系ハイビートを搭載し、サラリーマン憧れの自動巻きだった。

クォーツ革命がもたらした衝撃

同じ1970年代でも、機械式のロードマチックが日差15~30秒程度を実用性能としていた時代に、キングクォーツは月差±10秒を実現していました。

つまり、

  • ロードマチック:約1か月で7~15分ほど進み・遅れが出る可能性
  • キングクォーツ:約1か月でわずか10秒程度

という圧倒的な性能差があり、この精度の違いこそが高価格を正当化する最大の理由でした。

さらに、ツインクォーツは2つの水晶振動子を使って温度変化による誤差を補正し、**年差20秒(キング)・年差10秒クラス(グランド)**という、当時としては驚異的な精度を実現しています。


実際に分解すると分かる「格の違い」

下位グレードのQRやタイプⅡも十分に作り込まれていますが、キングクォーツ以上になると、

  • 厚みのあるケース
  • 重厚な裏蓋
  • 丁寧な文字盤仕上げ
  • ムーブメントの高級感
  • 部品精度の高さ

など、一目で「上級機」と分かる造りになっています。

そのため、オールドクォーツを実際に触って楽しむなら、キングクォーツ以上は所有する満足感が非常に高く、「当時のセイコーが本気で作った高級時計」を最も実感できるシリーズと言えるでしょう。

💦 レストア作業の経緯と「痛恨の失敗」

初期状態は、電池の液漏れによる内部腐食が見られました。電池端子の腐食を取って新しい電池を入れても動かず、曜車の日曜日の赤色も色あせていました。

ここから分解清掃に入りますが、経験不足ゆえのトラブルが次々と襲いかかります。

失敗1:裏蓋の開け方がわからず力技で変形

普通のスナップバック式だと思い込み、キングクォーツの裏蓋隙間に合わせて削り出したマイナスドライバーでこじって強引に開けようとし、裏蓋を変形させてしまいました(後に磨いて再使用)。

実はこのケース、ムーブメントが収まっている裏ブタの方に板バネが仕込んであり、そのバネ(12時、6時位置の2カ所)を押し込んで持ち上げれば簡単に外すことができる構造だったのです。バネは裏蓋の隙間から見えていたのに気づけませんでした。

さらに、開かないからといって裏蓋の隙間にシリコンオイルを注入するという悪手にも出てしまいました。文字盤を上に向けて配慮はしたものの、分解すると文字盤がしっとりしており、オイルが文字盤まで到達していた可能性が高いです。また、もともとクローズ位置を過ぎるまで回っていた電池蓋も、マイナスドライバーで強引に開けた際に舐めそうになりました。

📸裏蓋の正しい開け方

赤い矢印で示したケースとベゼルの隙間にあるこじ開け用ノッチの拡大写真
赤い矢印:ケースとベゼルの隙間にあるこじ開け用の板バネ
ケースの切り欠き部分にマイナス工具を差し込みベゼルを取り外す作業
板バネをマイナスドライバーで押し込み、そのまま上に持ち上げて裏蓋を開ける

💡 おすすめの時計修理アイテム

無理なこじ開けはケースに深い傷や変形をもたらします。専用のオープナーや安全な工具選びがDIYの第一歩です。

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失敗2:文字盤の清掃で塗装を剥がす

文字盤のインデックスにはフワフワの白いカビが発生していました。筆でカビを払い、時計用不織布(ダスパー)で文字盤を拭いたところ、11時まわりの文字盤塗装を剥がしてしまいました。

カビと浸入したオイルによる「しっとり感」がどうしても気になり、一か八かで文字盤をベンジンに数十秒漬け込むという荒療治を決行。結果的に文字盤に悪影響は出ず、今後のカビや油による浸食は免れると思うので安心しました。ベンジンで一部白濁した箇所もありましたが、文字盤専用のシリコン筆で撫でることで綺麗にリカバリーできました。

📸文字盤の清掃:カビとオイル除去(左右にスワイプして見てね!)

スクロールできます
2時インデックスの側面に付着しているカビの拡大様子
清掃前(2時インデックスのカビ)
柔らかい筆を使って11時インデックスのカビを慎重に払い落とす作業
清掃中(2時インデックス)
柔らかい筆を使って11時インデックスのカビを慎重に払い落とす作業
清掃中(11時インデックス)
筆でカビを取り除いた後の綺麗になった2時インデックスの様子
清掃後(2時インデックス)
ガラス容器に入れて清掃および保管されているセイコー キングクォーツの文字盤
ベンジンに漬けこんだ文字盤
ピンセットを使ってガラス容器から文字盤を取り出し裏面を確認する様子
軽くゆすって素早く取り出す
シリコン筆を使用してキングクォーツの文字盤表面を清掃する様子
シリコン筆で文字盤を清掃

📸清掃後(塗装が剥がれた文字盤

カビとオイルが除去できたので良しとする。

💡 文字盤清掃の必須アイテム

繊細なヴィンテージ文字盤の清掃には、毛羽立たない不織布や専用の筆が欠かせません。

文字盤への使用には注意が必要です。

👉時計用クリーニングクロス(ダスパー)&専用ベンジンの詳細はこちら

(monosyuuri.com)

失敗3:ステップモーターのホゾ折れ

ムーブメントの分解清掃中、オシドリ付近に腐食を確認しました。

ここでの大きな失敗は、ステップモーター(ステッピングモーター)の受け板を載せるのに苦労し、ステップモーターのホゾを曲げてしまったこと。さらに、曲がったホゾをピンセットで修正しようとして完全に折ってしまいました。

失敗4:テスター測定でコイルを焼き切る(最大の悲劇)

分解前は導通していたコイルが、テスターでの測定後に断線してしまいました。裏蓋を開けた直後の写真では断線していなかったため、原因は明確でした。

原因の特定:

テスターのモードを「ダイオードモード」から「抵抗モード」へ、テスト棒を当てたまま切り替えたことです。切り替え時に発生する過渡的な電圧スパイクが、極細の銅線に過負荷を与え、一瞬で焼き切ってしまったのです。経年劣化と腐食で極限まで脆くなっていたコイルにとって、測定器から流れる微弱な電流すら「とどめ」の一撃となりました。

📸焼き切れたコイル

クォーツ時計のコイルブロック端子にテストリードを取り付けて抵抗値を測定している様子
コイルブロック端子にテストリードを取り付けて抵抗値を測定している様子
コイルの断線によりデジタルテスターの画面にオーバーロード(O.L)が表示された状態
コイルの断線によりデジタルテスターの画面にオーバーロード(O.L)表示
キングクォーツのコイルブロック端子からのびた極細銅線の断線を赤枠で強調したクローズアップ
赤枠:コイルブロック端子からのびた極細銅線の断線

⚠️ 教訓:時計コイルの取り扱いにおける「4つの鉄則」

今回の痛ましい経験と高い授業料から、今後絶対に守るべき鉄則が導き出されました。

  1. 測定に対する考え方の転換時計のコイルは一般的な電子工作の部品とは異なり、極限まで無駄を削ぎ落とした設計です。電子工作の常識(抵抗モードなら安全など)は通用しません。テスターを使用すること自体が、コイルを焼き切る高いリスクを伴うと認識すること。
  2. 測定しない(パーツを信じる)可能であればテスターでの測定は行わず、パーツの状態を信じてそのまま移植する。
  3. モード切り替え厳禁もしどうしても測定する場合でも、モードを切り替える際は必ずプローブ(テスト棒)をコイルから離すこと。
  4. 非金属の活用と物理的保護可能な限り非金属製(プラスチックやセラミック等)のピンセットを使用し、物理的な接触圧やショートリスクを避ける。また、樹脂で固められた箇所などを無理に剥がさず、パーツ移植で解決する。

💡 コイル作業・電池交換の安全対策

金属製のピンセットでのショートやパーツ破損を防ぐため、クォーツ時計の修理には非金属ピンセットが必須です。

👉ショートを防ぐ!プラスチック・セラミック製ピンセットの紹介(monosyuuri.com)

✨ 奇跡のニコイチ復活と、その今後

📸 文字盤・針の分離工程(左右にスワイプして見てね!)

スクロールできます
セイコー腕時計の2時位置にあるオシドリ(リューズ抜き)の押し位置
セイコー腕時計の2時位置にあるオシドリ(リューズ抜き)の押し位置(リューズを押し引きすると出てくる)
文字盤2時位置付近のオシドリ穴にドライバーを差し込み巻真(リューズ)を抜く作業
文字盤2時位置付近のオシドリ穴にドライバーを差し込み巻真(リューズ)を抜く作業
回路やコイルが露出したセイコー製クオーツムーブメントの裏側構造
裏蓋を外した回路やコイルが露出したセイコー製クオーツムーブメントの構造
セイコー・キングクオーツの文字盤をムーブメントから取り外す様子
文字盤を取り外す
時計ムーブメントの周囲からダイアルスペーサーリングを取り外す様子
ダイアルスペーサーリングを取り外す
曜車の中央軸に固定されているCリングを工具で外す作業
Cリングを取り外す
取り外したCリング(Cクリップ)
ピンセットで時計の曜車(曜日ディスク)を慎重に取り外す様子
曜車(曜日ディスク)を取り外す
日車が一部持ち上がり、下部のカレンダー歯車やベース構造が見えているムーブメント
日車の押えのネジを外す
ピンセットで日まわりの押さえ部品を取り外す
日車の押えを取り外す
日車が組み込まれたムーブメントから、ピンセットを使ってカレンダー機構の押さえ板を取り外す様子
もう一つの日車の押えを取り外す
青い保護手袋を着用した手で、カレンダー機構のムーブメントから日車(日付リング)を外す作業
日車(日付リング)を取り外す
押さえ部品が外され、裏回りの歯車列や巻真周りが露わになった時計ムーブメント
押さえ部品が外され、裏回りの歯車列や巻真周りが露わになった
ムーブメントホルダーに固定された時計から、ピンセットで裏回りの押さえ部品を持ち上げて取り外す工程
裏回りの押さえ部品を取り外す
板バネ状の部品のネジを取り外す
板バネ状の部品のネジを取り外す
ムーブメントの外周にある細長い板バネ状の部品をピンセットで取り外す作業
ムーブメントの外周にある細長い板バネ状の部品を取り外す
リューズ付近のサビが付着したオシドリをピンセットで慎重に取り外す様子
サビたオシドリを取り外す
ピンセットを使用してムーブメントの輪列受けを持ち上げ、内部の歯車を露出させる分解工程
裏回りの歯車列の受けを取り外す
ムーブメントの中心軸から、筒状の歯車(筒カナ)をピンセットで慎重に引き抜く作業
筒カナを取り外す
ピンセットを使用して日の裏車(ひのうらぐるま)を持ち上げる様子
日の裏車(ひのうらぐるま)を取り外す
日回し車(ひまわしぐるま)取外し①
日回し車(ひまわしぐるま)取外し①
日回し車(ひまわしぐるま)取外し②
日回し車(ひまわしぐるま)取外し②
日回し車(ひまわしぐるま)取外し③
日回し車(ひまわしぐるま)取外し③
日回し中間車の取り外し
日回し中間車の取り外し
ツツ車(つつぐるま)を取り外す
ツツ車(つつぐるま)を取り外す
早送り車を取り外す
早送り車を取り外す
ピンセットを使用してムーブメントから押さえ板(カバープレート・バネ部品)を取り外す様子
押さえ板(カバープレート・バネ部品)を取り外す
ピンセットでツヅミ車など巻真周り(裏回り)の細かい部品を取り外す工程
ツヅミ車を取り外す
ピンセットを使ってムーブメントから小鉄車(歯車)を取り外す様子
小鉄車を取り外す
カレンダー機構などの部品を取り外した後のムーブメント文字盤側(裏回り)のベース状態
部品を取り外した後のムーブメント文字盤側(裏回り)

📸輪列側 の分離工程(左右にスワイプして見てね!)

スクロールできます
コイルと輪列受けが配置されたキングクォーツ5856ムーブメントの輪列側
キングクォーツ5856ムーブメントの輪列側
輪列受けを取り外し、2番車・3番車・4番車などの歯車群を露出させた状態
輪列受けの取り外し
長いホゾを持つ4番車(秒針用)をピンセットで真っ直ぐ引き抜く分解作
4番車(秒針用)の取り外し
2番車と5番車の間で動力を伝達する3番車をピンセットで取り外す様子
3番車の取り外し
5番車をピンセットで取り外す様子
5番車の取り外し
輪列の中で最も大きく、分針の動きを制御する2番車をつまみ上げる工程
2番車の取り外し
ステップローターをピンセットで取り外す様子
ステップローターの取り外し
ムーブメント右側に配置された黒っぽい小歯車を取り外す工程
黒っぽい小歯車の取り外し
キングクォーツのムーブメント内部にあるレバー固定用のネジ周辺のクローズアップ
レバーの取り付けネジの取り外し
ピンセットを使用してムーブメント内の小さなレバー部品を取り外す様子
レバーの取り外し
ピンセットでバッテリーのマイナス端子をつまみ上げて取り外す分解作業
バッテリーのマイナス端子の取り外し
キングクォーツの分解で液漏れにより緑色の付着物が付いたプラス端子周辺の様子
液漏れにより青色の付着物が付いたプラス端子の取り外し

📸分解したセイコー キングクォーツの全構成部品

パーツトレイやメッシュ皿に整理して並べられた分解済みのセイコー キングクォーツの全構成部品

数々の失敗により元のムーブメントでの復活は絶望的となりましたが、ここで諦めるわけにはいきません。

追加で「稼働品」のオリジナルベルト(尾錠付き)の同型個体をメルカリで購入。ドナー機からムーブメント丸ごととケーストップ(ガラス風防付き)、電池蓋を移植しました。

(※裏蓋、針、文字盤、曜車、日車は、もともと愛着を持って清掃した最初のジャンク品のものをそのまま使用しています)

📸ドナー機からムーブメントを取り出す

文字盤の色が違うだけで他は同じ型のドナー機を手に入れた。

風防ガラスに全体的なくもりや傷が見られる分解前のヴィンテージキングクォーツ
文字盤が腐食している分解前のキングクォーツ(ドナー機)
時計ケースの裏蓋およびラグ根元の隙間に蓄積した錆と汚れの拡大写真
ゴミが詰まり板バネの解除が大変でした
ケースから取り出したセイコー5856Aキャリバーのクォーツムーブメント全体
動作確認済みのムーブメント(ドナームーブメント)

自分の経験のなさを浮き彫りにした結果にはなりましたが、その後の移植作業では慎重かつ確実に作業を行い、無事にニコイチが成功。キングクォーツが再び力強く時を刻み始めたときは、言葉にならないほど嬉しかったです。

今回の失敗は、時計修理における精密機械特有の脆さを理解するための「高い授業料」となりました。この美しい58系キングクォーツ、これからは大切に腕に巻いて当時の空気感を楽しみたいと思います。

📸何とか動作するようになり完成

修理およびオーバーホールが完了し正常に動作しているセイコー キングクォーツ
セイコーのシングルクォーツモデルとツインクォーツモデルのキングクォーツを2本並べた比較写真
ツインクォーツモデルとシングルクォーツモデルのキングクォーツ

セイコー キングクォーツ(5856)のムーブメントと復活した本体を並べたDIY時計修理のアイキャッチ画像

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