車を「寝泊まりできる部屋」にするために欠かせないのが断熱です。 今回は、私がハイルーフ(バン)に建築用の遮熱断熱材**「GSメタルシートMS-2」をDIYで施工し、実際に丸1年以上車中泊生活を送って検証した効果**を本音でお伝えします。
Amazonや楽天では買えない「プロ仕様」のこの断熱材。購入方法や価格、施工のコツも詳しく解説します。
施工:2019年12月
検証環境:こんな生活でテストしました
まずは、どんな環境で効果を測定したかをご紹介します。かなり過酷なリアルな検証です。
- 車両: バンタイプ(ハイエース、キャラバン、コモ、ボンゴ等と同等)
- 期間: 2020年1月~2021年2月(丸1年以上)
- 場所: 埼玉県川口市の砂利駐車場(北:工場、東:民家、南:広大で日当たり良好)
- 夏場は朝7時から夕方17時まで直射日光が当たります。
- 生活スタイル:
- 平日は赤羽の会社へ出勤、夜は川口の車内で宿泊。
- 週末だけ神奈川の自宅へ帰宅(たまに金曜夜も車中泊)。
- 真夏も真冬も、ほぼ毎日車で寝泊まりしました。
1年住んでわかった「メタルシートMS-2」の効果
結論から言うと、**「天井(ルーフ)への効果は絶大、床への施工は工夫が必要」**でした。
【メリット】ここが凄かった
- 真夏でも「モワッ」としない 直射日光にさらされた真夏でも、乗り込む際に車内が激高温にはなっていませんでした。輻射熱(ふくしゃねつ)を遮る効果は非常に高いです。
- FFヒーターの効きが良い 真冬でもFFヒーターを点ければすぐに温まります。まるで家の中にいるような感覚でした。
- 春先は朝まで快適 5月の晴れた日でも、暑くて目が覚めるのは朝10時頃。何もしていない車なら朝7時には暑くていられませんが、熱伝導がしっかり遮られています。
- 居住空間が狭くならない 厚さわずか5mmなので、ルーフバーなどの取り付けも無加工でOK。薄いのに高性能です。
【デメリット・注意点】床への施工について
床に関しては、メタルシートの上に「15mm MDFボード」+「人の体重」がかかる構造にしたため、気泡がつぶれて断熱性能が落ちてしまった可能性があります。
- 真冬の床は手で触るとかなり冷たい。
- 直に布団を敷いて寝ると、朝、床との接地面が結露で濡れていた。
- (自宅のフローリングで実験しても濡れたので、自然現象とも言えますが…)
【教訓】 フロア(床)に関しては、メタルシートの気泡をつぶさない工夫をするか、**スタイロフォームなど「潰れにくい別の断熱材」**を併用することをおすすめします。
「GSメタルシートMS-2」の購入方法と価格
この商品は、残念ながらAmazonや楽天市場では販売されていません(※2019年当時)。メーカーから直接購入する必要があります。
- 商品名: メタルシートMS-2(建築用遮熱断熱材)
- サイズ: 厚さ5mm × 幅1m × 30m
- 価格(実績): 37,400円(税込・送料込)
- 商品代:30,000円
- 送料:4,000円
- 消費税:3,400円
- ※2019年12月時点の価格です。
- 購入方法:
- 「株式会社ジーエス」のホームページのお問い合わせフォームから連絡。
- メールで請求書が届く。
- 指定口座へ入金して発送してもらう。
DIY施工手順(ルーフ・床)
専門業者やキャンピングカーメーカーに頼むと高額になりますが、内張りの脱着さえ頑張れば、ハサミ一本で加工できるのでDIYが圧倒的にお得です。
準備するもの
- 材料: メタルシートMS-2、脱脂材(シリコンオフ)、ウエス、両面テープ、アルミテープ
- 工具: カッター、ハサミ
- シリコンオフ(脱脂剤):両面テープの接着力を高めるために必須です。これをサボると剥がれてきます。
- 強力両面テープ(耐熱):夏の車内は高温になるので、必ず『耐熱』タイプを選んでください。
- アルミガラスクロステープ:「断熱材のつなぎ目はこれで塞ぎます。普通のガムテではなく、耐熱・断熱効果のあるアルミテープを使いましょう。」
1. 天井(ルーフ)への施工
雨音対策として、断熱材の前に「制振材(レジェトレックス等)」を貼るのがおすすめです。

貼り付け面をシリコンオフできれいに拭きます。

制振材の上やボディに両面テープを貼ります。
- 中央は1m幅のままドーンと貼り付け。
- 両サイドは形に合わせてカットして貼り付け。

継ぎ目はアルミテープでしっかり塞ぎます。これで断熱効果が変わります(私はマスキングテープで代用しましたが、アルミテープ推奨です)。
ルーフライニング(内張り)とルーフバーを元に戻して完了。5mm厚なので干渉せずスムーズに戻せます。

2. 床(フロア)への施工
純正のタール材(防振材)の上から貼りました。タール材は溶剤で溶けるので、軽く脱脂する程度でOK。
両面テープでメタルシートを貼ります。

その上に床の形状に切り出した15mmの合板(MDFボード等)3枚を敷き詰め、仕上げにフロアタイルなどを施工します。



まとめ
薄い鉄板一枚の車を「部屋」にするには断熱が必須です。 GSメタルシートMS-2は、**「薄さ・軽さ・遮熱性」**のバランスが非常に良く、特に天井の断熱には最適でした。
入手は少し手間ですが、その価値は十分にあります。ぜひDIYで快適な車中泊ライフを手に入れてください!

- 一酸化炭素チェッカー:FFヒーターを使って冬を越すなら、命を守るために必ず設置してください。
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