机の上での簡単な工作に使えて10mmのキリが使える小さなボール盤が欲しかったので中古でHDP10Aを購入しました。
小さなボール盤を安く手に入れることが出来たのは良かったのですが、
芯振れが大きく使い物にならなかったので日本製の株式会社GLOBE(旧:堀内製作所)地球印ドリルチャックに交換して振れは気にならない程度になりました。
GLOBE地球印ドリルチャックを選んだ理由は、
HDP-10AのテーパーはJT1なので、ドリルチャック標準製品だと8mmのキリまでしかくわえられないところ、
GLOBEでは標準外テーパードリルチャックといって、
10MGチャックなのにJT1テーパーという製品ラインナップがあったからです。
品番:MG10-JT1
使用範囲:0.5-10
ジャコブステーパ:JT1(特殊使用)
交換した手順
ドリルチャックを外す時は、クサビを打ち込んで外すと思いますが、
今回、中古購入したHDP-10Aは、手で簡単に外れました。
また、ドリルチャックを外してみるとジャコブステーパ主軸テーパー部の状態はあまり良くないように見えて心配でした。


樹脂部品は劣化もひどく必要なさそうなので取り除きました。




せっかくドリルチャックを外したので、
ジャコブステーパ主軸の振れを
ミツトヨのダイヤルゲージを使用して測定しました。
主軸の振れは約0.02mm
主軸にダイヤルゲージをあて、ボール盤のモーターを回転させて計測しました。

本体の振れ0.03mm
主軸にダイヤルゲージをあて、本体枠を指で少し強く押して計測しました。
スプリングスケール牽引力測定器がないので曖昧ですいません。

合わせて0.05mm振れで、思っていたより少ないです。
高級品の開封は、胸が躍る瞬間です。



かっこいい!
新品のMG10-JT1と振れの大きかったドリルチャックとでは重厚感が全然違います。


ジャコブステーパ主軸とドリルチャックのテーパー部をアルコールで脱脂しました。


取り付けは、付属の取説に習い、
テーパー部に傷をつけないようにチャックを差し込み、チャックの爪が出なくなるまで回転させて、本体端面を300g程度を目安に数回プラスチックハンマーまたは木ハンマーで脱落しないように打ち込みました。
ジャコブステーパ主軸の状態が悪く心配でしたが、チャックを打ち込んだ後は、チャックが脱落することも無いので安心しました。


芯振れは気にならないレベルになったのですが、
HDP-10Aは本体の回転スピードツマミを最小にしても回転が速すぎて使いずらいので、
コンセントにはんだゴテ用のヒートコントローラーを入れて回転を遅くして騙し騙し使用しています。
いずれプーリを改造してトルクアップを図りたいところです。

ドリルチャックの種類
ドリルチャックの種類はネジ型とテーパー型の2種類があり、
ネジ型
ドリルチャック(ネジ型)は、ネジ型スピンドルに取り付けて使用するJIS認証のドリルチャックで、一般的に電気ドリルドライバー、エアードリルドライバーなどに使用されます。
ネジ型は、相手側のスピンドルとの取付ネジサイズは一般的に3/8-24UNFまたは1/2-20UNFとなります。
テーパー型
ドリルチャック(テーパ型)は、ジャコブステーパ主軸の工作機械またはチャックアーバに取り付けて使用するJIS認証のドリルチャックで、一般的にボール盤、施盤、フライス盤などに使用されます。稀に電気ドリルドライバー、エアードリルドライバーにも使用されます。
テーパ型とは、チャックの取り付けが円錐形の形状になっているもので、相手スピンドルに打ち込んで使用します。テーパの場合、面圧で互いが密着し保持されます。
ジャコブステーパ(JT)
日本や米国ではジャコブステーパが主流となります。
モールステーパ(MT)
欧州ではモールステーパが主流となります。
標準外テーパードリルチャック
通常より1ランクや2ランクほど小さいテーパの商品ですので、小さなテーパーの機械でもより大きな工具を把握することが可能です。
呼び寸法の型式に付くMGやELやEとはJIS規格の振れ精度を表し、
MGはマシングレードを意味し、工作機械用ドリルチャック向けとして使用されるドリルチャックに付く記号です。芯振れ精度は0.08mm以下です。
ELは電気ドリルチャック向けとして使用されるドリルチャックに付く記号です。芯振れ精度は0.20mm以下ですが、ELのものも、振れ精度はMGクラスなことも多いです。
Eは、元々Electric= 電動工具を意味し、携帯用電気ドリル用ドリルチャック向けとして定義されていましたが、現在は工作機械用としてもあります。芯振れ精度は0.20mm以下です。
テーパードリルチャック取外し工具のチャックドリフト
チャックドリフトはアーバーやボール盤の主軸などから、簡単にドリルチャックを取り外すことが可能です。
使い方は、取り外したい工具と工具の間にある隙間にクサビを打ち込んで外します。
チャックドリフトは、テーパーの直径より大きな物を使用します。

