ねこ先生数年愛用している100均のキッチンタイマー。
「スタート」や「分」のボタンを強く押さないと反応しなくなってきませんか?
これ、実はボタン裏の「導電性カーボン」が摩耗しているのが原因なんです。
リモコンやタイマーのボタンは、ゴムの裏に塗られたカーボンが基板の接点に触れることで電気が流れ、スイッチが入る仕組みになっています。使い込むとこのカーボンが剥がれてしまい、反応が悪くなるのです。
交換用の「カーボンピル」という修理部品も売っていますが、100個入りなどで売られていることが多く、100均タイマーを直すには割高…。鉛筆を塗り込んで直す方法もありますが、すぐに再発しやすいのが難点です。
そこで今回は、どこの家庭にもある**「アルミホイル」**を使って、確実に、しかもほぼ0円で修理する方法をご紹介します!
使用工具と材料
特別なものはほとんど使いません。ポイントは接着剤選びです。
- IPA(イソプロピルアルコール): 無水エタノールやパーツクリーナーでも代用可。
- 接着剤(セメダイン スーパーX): ここ重要! 普通の瞬間接着剤はカチカチに固まって衝撃で剥がれやすいので、弾力性のある「スーパーX」系がおすすめです。
- アルミホイル
- 道具類: ハンマー、ピンセット、ケースオープナー(またはマイナスドライバー)、打ち抜きポンチ(2.5mm ※あると便利)

沢山のビットやオープナーなどのキットを持っているとDIYが楽しみになります。
IPAは基板掃除の必需品
作業手順
まずは電池を外します。 樹脂製のケースオープナーを使い、ツメを折ったり液晶を割ったりしないよう慎重にケースを開けます。
オープナーがない場合は、マイナスドライバーの先にテープを巻くなどして代用しましょう。


分解できたら、反応が悪いボタンの裏側(黒い部分)と、基板側の接点をIPAで清掃します。 ここが汚れていると、せっかく修理しても接触不良の原因になります。綿棒などを使ってピカピカにしておきましょう。


①アルミホイルを切り出す
ここからが心臓部の手術です。すり減ったカーボンの代わりに、電気を通すアルミホイルを貼り付けます。
アルミホイルを切り出す 100均でも売っている2.5mmの「皮抜きポンチ」を使ってアルミホイルを丸く打ち抜きます。ポンチがない場合は、ボタンのサイズに合わせてハサミで四角く切ってもOKです。

アルミホイルを貼り付ける 接着剤(スーパーX)をボタンのゴム側とアルミホイルの両方に薄く塗り、5分ほど放置して少し乾かします(これが接着力を高めるコツ!)。その後、ピンセットで慎重に貼り合わせます。

圧着して乾燥 貼り合わせたら、ピンセットの柄など平らな部分で軽く押さえ、余分な接着剤を追い出しつつ圧着します。完全に乾くまで待ちましょう。


接着剤が乾いたのを確認したら、元通りに組み立てて電池を入れます。 テストしてみると…軽く触れただけで「ピ!」と反応。無事、キッチンタイマーが生き返りました!

【おまけ】分解ついでに学ぶ、キッチンタイマーの仕組み
せっかく分解したので、中身の電子部品がどんな仕事をしているのか観察してみました。100均商品とはいえ、中身は立派な電子機器です。
🧠 IC(集積回路)
黒い樹脂でモールドされているこの部品は、小さなパソコンのようなものです。
- ボタン入力の検知
- 時間のカウント
- 液晶(LCD)の表示
- ブザーを鳴らす指令 これら全ての制御を、このワンチップで行っています。
🔊 圧電ブザー(ピエゾ素子)
「ピピピピ」という音を出す部品です。 真鍮などの金属板に、セラミック製の「圧電素子」が貼り付けられています。ここにICからの電気信号(電圧)をかけると素子がわずかに変形し、その高速振動が空気を震わせて音になります。スピーカーよりも薄型で消費電力が少ないのが特徴です。
⚡ 巻線抵抗
圧電ブザーと並列に接続されているコイル状の部品です。 ブザー回路がOFFになった瞬間、圧電素子に溜まった電気を逃がす(放電する)役割などを担っていると考えられます。これがないと誤動作の原因になることがあります。
⏱ 水晶発振器(32.768kHz)
銀色の筒状の部品です。これがタイマーの心臓部。 1秒間に32,768回という正確なリズムで振動し、ICに「時間の基準」を伝えています。「32768」は2の15乗という数字で、これを回路で分周(割り算)していくことで、正確な「1秒」を作り出しています。

まとめ
アルミホイル一枚で、愛着のある道具が復活するのはDIYの醍醐味ですね。 100円で買い直すのは簡単ですが、自分で直すとより愛着が湧きますし、ゴミも減らせます。
ボタンの効きが悪くてイライラしているタイマーがあれば、ぜひ週末に修理してみてください!


