立水栓の水受け(パン)がないと困るのですが、ホースでの散水がほとんどなので存在感のないシンプルでお安く施工できる方法はないですか。
大量の水を流さないのであればポーラスコンクリートで自然排水にすると、水ハジキのすくない平坦な水受けをDIYできます。
この記事は高齢の母がつまづかないよう市販の水受け(パン)ではなく、水受けをポーラスコンクリートで平らにDIYしたら使い勝手と見た目が良いと評判がよかったので手順と材料をまとめました。
また、この記事は「ドライテック」や「ポーラスアイ」などのブランド商品を使用しておりません。セメント、砂利、水だけでDIYしたポーラスコンクリートで施工する自然排水の水受けのご紹介です。
※ポーラスコンクリートとは:細骨材(川砂)を使用しないセメント、水、粗骨材(砂利)だけで製造する空隙率15~25%辺りの多孔質コンクリートのことです。開発されたのは、東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)と古く、公共工事でも使われるほど、環境に配慮した技術です。
以前記事にしたバイク置き場をDIYポーラスコンクリート施工で失敗した経験がDIY水受けに活かされました。
今回はポーラスコンクリート施工面積がかなり狭いこともあって簡単でした。この記事をお読みの方もポーラスコンクリート施工前に簡単に注意点と利点を押さえておいてください。
ポーラスコンクリート注意点と利点
注意点
- ポーラスコンクリートを敷いたら転圧をしっかりかける。
- 転圧は一回で決める。時間をおいて何度もしない。
コンクリート施工時のようにブリーディングが無いので、時間をおいて金ゴテ仕上げの必要はありません。仕上げは一発で決める。
※ブリーディングとは:コンクリートを打設後、最も比重の小さい水が表面に上がってくることです。また、その水を取り除いてやらないと、表面のひび割れの原因になります。
1,2を行わないと、しっかり固まってくれない。
利点
- 水はけがよい。
- 水勾配がいらない。
コンクリートは水勾配がついているので、コンクリートの上で作業を行うとストレスになる場面が出てくるし、水勾配をつける施工も面倒です。 - 雑草が生えない
- ブリーディングがない。
ポーラスコンクリートで立水栓の水受けをつくる。
今回、ポーラスコンクリート層を6cmとする予定。
ポーラスコンクリート層の厚みは、コンクリート打設と同様に人や自転車が通る程度なら6cm程、車の駐車場なら10cm程が理想です。
台所を減築中。
台所を減築し、行き場を失った台所水栓。
建物部分のDIYがひと段落ついた所です。
この時まで水栓は無くす予定でしたが、新設した掃き出し窓の前に畑を作ることになり立水栓へDIYすることにしました。
水道管を黒いHIVP管で配管した後、立水栓のコンクリート枠を組んだ所です。
コンクリートで立水栓を固定した所です。
立水栓の水受け設置場所を5cm以上掘り下げる。
掘り下げた土の部分を手前のコンクリート土間の高さと同じレベルで水受けと固まる砂を施工して行きます。
敷石を敷く所は少し深く土を掘りコンクリートで補強しました。セメント1:砂3:砂利6
この後
- バサモル
- コンクリートノロ
- 敷石
- コンクリート敷石目地埋め
の順番で施工。
右端だけですが敷石の目地埋めをして、ポーラスコンクリートの型枠を端材の合板などで設置した所です。
敷石のサイズ(目安):約275mm×約275mm厚さ:約22mm
使用した黒い天然石敷石はハンズマンで購入しました。
ポーラスコンクリートの材料はホームセンターにあるセメントと砕石です。
ポルトランドセメントなど25kg 砕石18Kgどちらも1袋400円前後です。
今回のポーラスコンクリートのレシピ空隙率25%
- 5号砕石17Kg
- セメント3.1Kg
- 水0.95Kg
①砕石とセメントを入れ空練り。
②水を入れて練る
③一粒の石全周にコンクリートが付いて少し光出す時がベストです。
④水が多すぎると砕石からコンクリートが流れ落ち地肌が見えてしまうのでその時はセメントを追加する。
※砕石を小粒にする場合(5号➜7号)少しセメントを増やします。砕石を-5%にする程度
砕石使用量計算(目安) 0.3×0.6=0.18㎡
- 体積:0.18平米×厚み0.06m=0.0108㎥
- 重量:1600Kg×0.0108㎥=17.28Kg
打設前に地面を水で濡らして、少し多めにポーラスコンクリートを盛って左官ごてや土間ごてなどで転圧します。
夏場だったので急激な乾燥を防ぐためラップを被せておきました。
翌日ポーラスコンクリート乾燥
固まる砂施工。
立水栓の水受けと固まる砂の施工完了。
さいごに
はじめての立水栓DIYでしたがシンプルで低価格の立水栓と蛇口をAmazonでみつけたことをきっかけに、水受けも高齢の母の使い勝手を考えた上でポーラスコンクリートをDIYにすることによってシンプルで低価格に抑えることができ、土間とレベルを同じにしたことにより市販の水受け(パン)を設置するよりつまづくことがなくまた、スペースを有効活用でき、今回の使用用途ですと大量の水を流すわけではありませんので浸透水受けによる自然排水で十分だったこともあり排水管の設置も省くことができ利点の多いDIYとなりました。
これからDIYをお考えの方は、敷石をレンガなどお好みのものに変えて洋風にアレンジしたり、モノトーンで落ち着いた雰囲気にするなどポーラスコンクリートで満足度の高いDIYをお楽しみください。
最後にポーラスコンクリートが上手く固まらなかった時のために改善策を記載しておきますので、上手くいかなかった方のお役に立てれば幸いです。
ポーラスコンクリートの補修は、コンクリート接着剤ナルシルバーが強度もありお手軽でおすすめです。
圧縮強度を上げる改善
- 混和剤を入れてモルタルの強度を上げる(高性能AE減衰剤が良いようです)
- 石の粒を小さくする。
- 転圧時、振動を長く与える。(よく締める)
- 転圧は一回。
母いわくこのホースリールは細いのでとても楽に水まきとホース巻取りができるそうです。
今回紹介した「カクダイの水栓」と「タカギのホースリール」を接続するのに別途購入したアダプターです。