【タカラトミー バンクマン】「目も口も開かない…」沈黙した関西弁の相棒を救った禁断のモーター分解0円修理の話

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バンクマン関西系のモーター交換修理のアイキャッチ(目と口が動かない症状)
目次

プロローグ:浪速の友が、口を閉ざした日

「チャリーン」 500円玉を入れる音だけが虚しく響く。

いつもなら、「まいど!」「貯金してや~」と、桂小枝師匠の軽妙なボイスと共に、目と口をパチクリさせて喜んでくれるはずの**「バンクマン」**。 しかし今日、彼は微動だにしなかった。

目は虚空を見つめ、口は堅く閉ざされたまま。音声だけは流れるが、あの愛嬌のある表情筋(ギミック)は死んでしまったようだ。 耳を澄ます。……無音だ。 本来なら聞こえるはずの「ウィーン」というモーターの駆動音が聞こえない。

これは、ただの故障ではない。心不全(モーターロック)だ。 私は決意した。この愛くるしい関西系の相棒を、絶対に直してやると。


第1章:開頭手術(分解の儀)

オペを開始する。 ターゲットは、表情筋を司る深層部のモーターだ。

手順1:外殻の排除

下カバー(電池BOX)の外し(ネジ4本)
電池BOX裏の0.25Ω抵抗器
電池BOX裏の0.25Ω抵抗器をテスター測定している様子

まずは電池を抜く。 本体底面のネジ4本を外し、下カバーを開ける。 そこには、赤と黒の血管(配線)と、心拍を整えるペースメーカー(0.25Ωの抵抗器)が露わになった。

執刀医のメモ: 電池ボックスには直列繋ぎで0.25Ωの抵抗が入っている。電流制御用の保護抵抗だろう。カラーコードとテスターで抵抗値を確認したが、異常は見られない。

手順2:血管の確保

電源ケーブル固定テープ外す前の状態

セロテープで固定された赤黒の配線を剥がし、フリーにする。 ここを横着すると、後の工程でハンダ部分に負荷がかかり、断線という二次災害を招く。 「大丈夫だ、まだ助かる」と声をかけながら、慎重にテープを剥がす。

手順3:頭蓋の開放

バンクマン上カバー固定ネジ位置図
バンクマン上カバー固定ネジ位置図
バンクマン上カバー外した状態

上カバーのネジ6本を外す。 顔側の2本だけは平ワッシャー付きのタッピングビスだ。位置を間違えないよう、トレーに並べる。

手順4:深部へのアプローチ

バンクマン上内部のセンサー類の配線を固定しているテープを外している様子
バンクマン貯金箱BOX固定ネジ位置図
バンクマン貯金箱BOXを外した様子(ネジ2本)
バンクマン内カバー外す前にコネクタを外した様子

テープをめくり、センサー類の配線もフリーにする。 貯金箱ユニット(胃袋)を固定しているネジ2本を外し、ユニットごと摘出。 さらに電源コネクタとセンサーコネクタを引き抜く。これで上カバーが完全に外れ、患部への視界が開けた。


第2章:病巣の特定(モーター摘出)

手順5:心臓部への到達

バンクマン内カバー固定ネジ位置図
①バンクマン内カバー固定ネジ位置図
バンクマンの内カバーを外した様子(ネジ6本)
バンクマンのモータープーリーからベルトを外している様子(バンクマン基板部及びメカ部)
定電圧電源を使用してバンクマンのモーター単体で動作しない事を確認している様子
④定電圧電源を使用してモーター単体で動作しない事を確認している様子

いよいよ核心部だ。 モーターを固定している白いブラケットが見えた。 プーリーにかかっているゴムベルト(腱)を外し、ブラケット固定ネジを緩める。

摘出されたのは、見慣れた**「マブチモーター(FA-130型)」**。 これがバンクマンの表情を作る心臓だ。

試しに定電圧電源に繋ぎ、3Vを流してみる。 ……動かない。電流計のリミットランプが点灯する。 **「内部短絡(ショート)」**だ。完全にロックしている。


第3章:移植か、蘇生か(運命の分岐点)

手順6:ドナーの準備……しかし

バンクマンのモーターブラケットとモータープーリーのクリアランス確認(1㎜強)
ドナー移植前:ブラケットとモータープーリーのクリアランス確認(1㎜強)
バンクマンのDCモーターに付いていたセラミックコンデンサ0.1μF
セラミックコンデンサー(0.1μF):モーターブラシと整流子の間から出る高周波ノイズ対策
バンクマンのDCモータ交換(130モーター)
密かにドナー移植してみると人格(動きのスピード)が変わってしまった

手持ちの在庫から、新品の130モーター(ドナー)を取り出した。 プーリーと、ノイズ除去用の0.1μFセラミックコンデンサーを移植する準備を進める。

しかし、ここで私はある違和感を覚えた。 「手持ちのモーターと、純正モーター……微妙にスペック(回転数)が違うんじゃないか?」

FA-130RA-2270か、18100か。型番が判別できない。 違う心臓を入れれば、バンクマンの人格(動きのスピード)が変わってしまうかもしれない。

👇FA-130RA-2270:恐らくバンクマンのオリジナルモータースペック。

最終手順:禁断の「分解洗浄」

バンクマンオリジナルの130モーターを分解し整流子をピンセットとIPAで清掃している所

私はドナーを脇に置き、**「壊れた純正モーター」**を手に取った。 どうせ壊れているなら、こいつの中身を見てやろう。

カシメをこじ開け、モーターの蓋を開く。 そこには、真っ黒に汚れた整流子とブラシがあった。これだ。 長年の疲労(カーボン汚れ)が蓄積し、通電を阻害していたのだ。

「まだ、ブラシは残っている!」

私はパーツクリーナーで汚れを洗い流し、ピンセットでブラシの開き具合をミリ単位で調整した。 震える手で蓋を戻し、再び電源に繋ぐ。

「ウィィィーン!!」

回った! 勢いよく、力強く! 死んだと思われた心臓が、再び鼓動を打ち始めたのだ。


エピローグ:復活の漫才

分解とは逆の手順で、丁寧に体を組み上げていく。 全てのネジを締め終わり、電池を入れる。

500円玉を投入する。

「チャリーン!」 「まいど! 貯まったなぁ~!」

バンクマンの目がパチクリと動き、口がパクパクと開閉する。 いつもの、あの騒がしくて愛おしい動きが帰ってきた。

新品への交換ではなく、彼自身の心臓を治療して蘇らせたこと。 それが何よりも嬉しかった。

おかえり、バンクマン。 さあ、これからも私の500円玉を飲み込んでくれ。


🔧 この手術に挑む「執刀医」たちへ

もしあなたのバンクマンが沈黙したら、以下の道具を用意して挑んでください。ただし、モーター分解は上級者向けです。自信がない場合は「交換(移植)」をおすすめします。

1. 精密ドライバーの最高峰:ベッセル(VESSEL) 6100‐P.1-200

バンクマンのネジは奥まった場所にもあります。100均のドライバーではネジ山を舐めるリスクがあります。プロも使うベッセルなら、確実なオペが可能です。

  • おすすめ理由: エリート外科医時代(東証一部上場精密機器修理部)からの愛用品。深部へのアクセス、力の入れやすさ、回転スピードすべてが最高

2. 命の源:マブチモーター FA-130RA

分解修理に失敗した時のための「保険(ドナー)」です。数百円で買える安心を手元に。

  • おすすめ理由: 工作少年の基本アイテム。これがなくては始まらない。

👇FA-130RA-2270:恐らくバンクマンのオリジナルモータースペック。

3. 蘇生の聖水:KURE(呉工業) コンタクトスプレー

モーター分解洗浄の必需品。カーボン汚れを溶かし、通電を復活させます。

  • おすすめ理由: 接点復活剤のド定番。スイッチの接触不良など、家庭内のあらゆる家電修理に使えます。

4. 電気の聴診器:デジタルテスター

モーターが死んでいるのか、電池切れなのか、断線なのか。これがあれば一発で診断できます。

  • おすすめ理由: DIY修理をするなら一台は持っておきたい必須ツール。

※注意: 本記事の修理(特にモーター分解)はメーカー保証外の行為です。自己責任において、楽しみながら挑戦してください。

👇バンクマン電源が入らない修理ガイド

バンクマン関西系のモーター交換修理のアイキャッチ(目と口が動かない症状)

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