【DIY革命】壊れたプリンターが最強工具に!? モーターを再利用して「爆速・高トルクルーター」を自作する全手順

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壊れたプリンターのDCモーターと電源を再利用してDIY自作高トルクルーターを作るアイキャッチ
目次

⚠️【警告】製作前に必ずお読みください(免責事項)

本記事で紹介するDIYは、一般的なホビー工作(5V〜12V)の域を超えた**「40V以上の高電圧」を扱います。一歩間違えると感電・火災・部品の爆発**といった重大な事故につながる恐れがあります。

製作にあたっては、以下のリスクを十分に理解し、すべて自己責任で行ってください。

  • 感電の危険: 40V超の直流電圧は人体に強い衝撃を与えます。濡れた手での作業や通電中の端子接触は厳禁です。
  • 発火のリスク: 配線のショート(短絡)は一瞬で火花を散らし、配線の溶断や火災の原因となります。絶縁処理(熱収縮チューブ等)を徹底してください。
  • 部品の耐圧限界: 市販の安価な計器やコンデンサには「耐圧30Vまで」のものが多く、40Vを印加すると数秒で発煙・破裂します(筆者も経験済みです)。
  • 高速回転の脅威: 高トルクのため、万が一ビットが外れたり破損したりすると、破片が弾丸のように飛散します。作業中は必ず保護メガネを着用してください。

免責事項: 本記事の内容を模倣したことにより発生した、いかなる事故・怪我・火災・損害についても、当ブログおよび筆者は一切の責任を負いかねます。電気工作の基礎知識を有しない方の安易な製作は推奨いたしません。


捨てればゴミ、活かせばプロ工具。プリンター再利用のすゝめ

「またカスレてる……」

幾度となくヘッドクリーニングを繰り返しても直らない印刷ムラ。役目を終えたプリンターを前に、あなたならどうしますか?

粗大ゴミに出すその前に、少し待ってください。その筐体の中には、電子工作ファンにとっての「心臓」と「血管」——つまり強力なDCモーターと安定した電源ユニットが眠っているのです。

今回は、壊れたEPSON PM-A750を解体し、市販の安価なルーター(リューター)を遥かに凌駕する**「コスパ最強の自作高トルクルーター」**へと転生させた記録をお届けします。


なぜ「自作」なのか?市販品との圧倒的な差

ホームセンターで売られている数千円のホビールーター。手軽ですが、いざ硬い木材や金属を削ろうとすると「止まってしまう」ことはありませんか?

  • 市販の安価なルーター: トルクが細く、負荷をかけるとすぐ回転が落ちる。
  • プリンター改造ルーター: 高電圧(約40V)で駆動するDCモーターは、押し当てても止まらない圧倒的なパワーを秘めています。

この「ストレスフリーな削り心地」を、ほぼ材料費のみで手に入れましょう。

比較対象となる市販の安価なホビールーター(リューター)の外観
数千円のホビールーター

必要な装備(マテリアル)

自作ルーターのベース素材となるEPSON PM-A750プリンターの外観

ベースとなるのはEPSON PM-A750。ですが、DCモーターと電源が生きているプリンターなら何でも応用可能です。

カテゴリ必要なもの備考
心臓部プリンターのDCモーター&電源基板解体して取り出します
制御DC-DC モーター速度コントローラー42V以上の入力に対応するもの
先端工具ドリルチャック(φ3.17mmモーター軸用)&コレット3mm/2.35mmビット対応
ケース乳液の空き箱・プラ板意外とこれがシンデレラフィットします
工具はんだごて、ニッパー、ドライバー、ノコギリノコギリは「ダボ切り用」がベスト

プロの教え: プラスチックケースの切断には、あさり無しの**「ダボ切りレザーソー」**がおすすめ。腰が折れず、切り口が驚くほど綺麗に仕上がります。

玉鳥産業(Gyokucho Sangyo)
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φ3.17mmモーター軸用ドリルチャックとコレットセットの外観
ドリルチャックとコレット
40V以上対応のDC-DCモーター速度コントローラー(PWMレギュレーター)の外観
DCDCモーター速度コントローラー

👇DCモーター速度コントローラー(高耐圧版)

今回使用した40V以上の高出力に対応したコントローラーはこちら。プリンター電源を活かすなら必須です

👇ドリルチャック(3.17mm軸用)

マブチモーターの軸にぴったりのチャック。これがないとビットが装着できません


魂のクラフト:自作ルーターの製作工程

STEP 1:プリンターの「心臓」を摘出する

ドライバーを手に、プリンターを解体。狙うは紙送り、またはヘッド駆動用のDCモーターと、AC100Vを変換する電源基板(コンセントから辿って最初にあるBOX)です。

EPSONプリンターを分解してDCモーターと電源基板を取り出す作業の様子
分解したプリンターの電源とモーター位置図

STEP 2:廃材を活かすハウジング

コントローラーを収めるのは、なんと「乳液の空き箱」。ノコギリでカットし、内側に0.5mmのプラ板を接着して「はめ込み式」の蓋を自作しました。この「身近なものを工夫する」のがDIYの醍醐味です。

ルーターコントローラーのケースに流用する乳液の空き箱とDC-DCモーター速度コントローラー
①乳液空箱とDCDCモーター速度コントローラー
乳液の空き箱をダボ切りノコギリでカットしてコントローラーケースに加工している途中の様子
②液空箱をノコギリで切断
乳液の空き箱をノコギリで切断しコントローラーケースとして加工した完成状態
0.5mmプラ板を内側に貼ってはめ込み式に加工した自作コントローラーケースの蓋
④ケース蓋の部分

STEP 3:モーターの「魔改造」

モーター軸にはピニオンギヤが固着しています。ここで登場するのが自作の**「ギヤプーラー」**。万力にグラインダーで切れ込みを入れた特製ツールで、慎重に抜き取ります。

自作ギヤプーラーを使ってプリンター用DCモーター軸からピニオンギヤを取り外している様子
ピニオンギヤをギヤプーラーで外す

STEP 4:配線と回転方向の儀式

今回の電源の場合ACアダプターからは3本(DC41.2V出力、DC40.0V出力、GND)の出力ラインがあったのでテスターで確認して、

電源基板からの青線(DC41.2V)をコントローラー「Power」⊕入力へ接続。
電源基板からのGND線をコントローラー「Power」⊖入力へ接続。

DCモーターの赤黒線をコントローラーの「Motor」出力へ接続。

プリンターから取り出したDCモーターの軸にドリルチャックとルータービットを装着した状態
モーター軸にドリルチャックとルータービットを取り付ける
DCモーター・プリンター電源基板・DC-DCモーター速度コントローラーを配線接続した全体の様子
写真のモーター配線は逆回転だった

電流計接続例

プリンター電源基板・DC-DCモーター速度コントローラー・電圧電流計・DCモーターの実際の配線接続状態
電源、モーター速度コントローラー、電圧電流計、モーター 実態写真図
プリンター電源・PWMコントローラー・電圧電流計・DCモーターの配線接続を示す実態拡大配線図
電源、モーター速度コントローラー、電圧電流計、モーター 実態拡大図

ここで最重要チェック! 必ず**「正回転(右回り)」**になるよう配線してください。逆回転だと、作業中にチャックが緩んでビットが飛んでくる恐れがあり、非常に危険です。

👇防護メガネ(安全装備)

  • 自作工具はパワーがある分、安全第一。破片から目を守るために必ず着用しましょう

衝撃の結果。40Vのパワーは伊達じゃない

完成したルーターをコンセントに差し込み、ボリュームを回す。

「キィィィィィン!」という高周波とともに、モーターが目覚めます。

驚いたのはその粘り強さ。研磨作業で強く押し当てても、回転が止まる気配が全くありません。

「モーターを直に持って作業する」というスタイルも、ダイレクトに振動が伝わり、意外なほど繊細なコントロールが可能です。

完成した自作高トルクルーターでワークに押し当てて研磨・磨き作業をテストしている様子

【データが証明する実力】

  • 使用モーター: マブチ RS-445PA
  • 定格電圧: 12-42V(今回は41.2Vで駆動)
  • 停動トルク: 81.6mN・m(このクラスでは驚異的!)
自作ルーターに使用したマブチモーター RS-445PA14233Rの銘板アップ
MABUCHI MOTERのRS-445PA14233R

⚠️ 失敗から学んだ「禁忌」:電圧計の悲劇

欲を出して「電圧電流計」を取り付けたのですが、ここでトラブル発生。

この計器の耐圧は30Vまで。実験的に40Vまで上げたところ、30秒で煙を吹いて昇天しました。

もし電圧計を付けるなら、降圧モジュールを使って計器用の電源を別途30V以下に抑える必要があります。皆さんは私の屍を越えていってください……。

電圧電流計を定格30V以内で動作させた際の正常動作状態
「電圧電流計」の定格30V以内では順調に動作
電圧電流計に定格を超える40Vを印加して発煙・故障する直前の様子
「電圧電流計」の定格を超える40Vで動作させ昇天
40V過電圧により電圧電流計内部のNPNトランジスタ(BL)が焼損した状態
電圧電流計の焼損したNPNトランジスタ(BL)

👇皆さんはコントローラーの最大出力DC40V以上の定格入力(DC100V)の電圧電流計をお使いください。


結び:創る喜びは、壊れたものの中から生まれる

完成した自作ルーターを万力に固定してキリを研いでいる様子
万力に挟むと細いキリを研ぐにも便利

捨てられるはずだったプリンターが、工作机のメイン工具として生まれ変わりました。

「ないものは作る。あるものは活かす。」

このルーターで次は何を作ろうか、今からワクワクが止まりません。

皆さんも、押し入れに眠っている古いプリンターに、もう一度命を吹き込んでみませんか?


お得なビットセット

👇①ホビー用:2.3(2.35)mm:2.3mm、2.35mmは数字では0.05mm異なりますが同じ仕様としてお使いいただけます。

👇②電動工具用:3mm 

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