プロローグ:破滅の音


「ガシャン!!」
静かな午後の作業現場に、乾いた破壊音が響き渡った。
DIYで家の減築(サイズダウン)を進めていた私にとって、それは最も聞きたくない音だった。
足元を見ると、屋根の要である「軒瓦」が無残にも砕け散っている。しかも4枚。
ストックを確認するが、残りは2枚しかない。つまり、足りない。
「終わった…」
築数十年の陶器瓦。同じものはもう手に入らないかもしれない。途方に暮れる私の脳裏に、工具箱の隅で眠っていた“ある相棒”の顔が浮かんだ。
「そうだ、アイツなら…J-Bウエルドなら、この絶望をくっつけられるかもしれない」
第1章:最強の助っ人「J-Bウエルド」召喚
25年保証の伝説


工具箱から取り出したのは、米国製の2液混合エポキシ接着剤「J-Bウエルド(オートウェルド)」。
「鉄でも石でもくっつける」「開封後25年使える」という嘘のような売り文句を持つ、全米No.1の補修材だ。
数年前に車の板金修理で使って以来、放置していたが、硬化剤は全く劣化していなかった。さすがだ。
しかし相手は、雨風に耐え、ズッシリと重い「瓦」。果たして陶器の破片を支えきれるのか?
第2章:接合オペレーション開始
混合と塗布の儀式



黒と白のチューブから同量を絞り出し、グレーになるまで徹底的に混ぜ合わせる。この練り作業が強度の鍵を握る。
パテよりも柔らかくトロリとした粘度は、複雑な瓦の断面によく馴染む。
割れた断面をラッカーシンナーで清掃し、混合液をたっぷりと塗布。
「頼む、くっついてくれ…!」
祈るような気持ちで破片同士を圧着する。テープ固定はせず、瓦自体の重み(自重)を利用して密着させた。あとは24時間の放置プレイだ。
第3章:運命の強度テスト
一体化した物体


翌日。恐る恐る瓦を持ち上げてみる。 「……硬い!」 接着面がグラつく様子は微塵もない。それどころか、端を持って振り回しても(危険なので真似しないでください)、まるで最初から一枚の板だったかのような剛性を感じる。 指が痛くなるほどの重力を、あの細い接着ラインだけで支えているのだ。 「こいつ、本物だ」 私の心配をよそに、J-Bウエルドは瓦を完全に同化させていた。
第4章:屋根への帰還

釘打ちにも耐える絆

修復された瓦を屋根に戻す時が来た。 最大の難関は「釘打ち」だ。固定のためにハンマーで衝撃を加える。もし接着が弱ければ、振動で再びバラバラになるだろう。 「コンコン、ガンッ!」 釘を打ち込む。隣の瓦を被せる。 ……ビクともしない。 J-Bウエルドで繋がれた瓦は、何事もなかったかのように屋根の一部となり、再び家を守る盾となった。
エピローグ:減築完了、そして伝説へ


こうして、瓦不足による工事中断の危機は去った。 雨樋が付き、外壁が張られ、減築リフォームは無事に完了した。 もしあなたがDIYで「取り返しのつかないもの」を壊してしまったら、諦める前にJ-Bウエルドを試してほしい。 そこには、絶望を希望に変える接着力があるはずだ。
幸い数十年前に全瓦を葺き替えた際にストックしてあった軒瓦が2枚あったけど足りないので、割れた軒瓦を2枚接着修理することにしました。

👇築50年の実家の修理、塗装、減築、親孝行の物語全記録
あわせて読みたい 【実録】1300km彼方の実家を救え。バンライフで運ぶ「技術」と「親孝行」のDIY再生記 実家DIYリフォーム:1300km離れた実家を救う決意 「実家の壁がボロボロで……」 遠く福岡で暮らす親から届いた写真。そこに写っていたのは、私が育った家が、静かに朽ちて…


