はじめに:窓が「重い」「動かない」原因はモーターの汚れ?
「スイッチは掃除したのに、まだ窓の動きが遅い…」 「上がる時に苦しそうな音がする…」
その症状、モーターの寿命ではなく**「汚れ」**が原因かもしれません。 長年の使用でモーター内部(整流子)にカーボンの粉が溜まると、電気の流れが悪くなりトルクが低下します。
今回は、平成14年式いすゞコモ(E25日産キャラバンOEM)を例に、レギュレーターモーターを分解清掃して、新品同様のパワーを取り戻す手順を紹介します。
使用車両と工具・規定トルク
- 車両: 平成14年式 いすゞ コモ(型式:GE-JCQGE25)
- ※E25系日産キャラバンと共通部品です。
- 使用工具:
- プラスドライバー(No.2)
- 10mm ソケットレンチ
- 耐水ペーパー(1000番程度)
- IPA(アルコール洗浄液)またはパーツクリーナー
- バキュームリフター(またはガムテープ)
- 【重要】締め付けトルク(10mm頭のボルトナット全般):
- 4.3~5.9 N·m(0.44~0.66 kgf·m)
作業手順①:レギュレーターの取り外し
まずはドア内部から、モーターを含むレギュレーターASSYを取り出します。
STEP 1:ドアトリム(内張り)を外す
- インサイドハンドル奥の化粧パネル(エスカッション)を外す。
- アームレストの固定ネジ1本を外してアームレストを取る。
- アームレスト下のネジ2本を外す。
- パワーウィンドウスイッチパネルを外す。
- ドアトリム全体を外す。
- 前側付近の「押して引き抜くクリップ」1個と、周囲の嵌合クリップ9個を内張り剥がしか手を使って、バキバキと外し、窓枠のモールごと持ち上げて引き抜きます。






STEP 2:防水シートをめくる
ブチルゴム(黒い粘着剤)で貼り付いているシーリングスクリーンを剥がします。 ※ブチルが服や手に付くと落ちにくいので、必ず手袋をして作業しましょう。
Tips:「ブチルゴム」が手に付いた時は、パーツクリーナーよりハンドクリームや油が効きます。


STEP 3:ガラスを切り離して固定する
ここが重要ポイントです。ガラスを落とさないように注意してください。
- スイッチを仮接続し、下写真オレンジ囲みのボルト(10mm)2本がサービスホールから見える位置までガラスを下げて、そのボルトを外す。
- ガラスを手で一番上まで持ち上げ、固定する。
- 私は「バキュームリフター(吸盤)」を使いましたが、無い場合はガムテープ等でドア枠にしっかり固定してください。
サクションリフター(バキュームリフター)
ガラスを外して作業する際、これがあると「持ち上げ」と「固定」が圧倒的に楽になります。ガムテープ固定の不安から解放されます。「ガラス交換や板金作業の必需品。強力吸盤でガッチリ固定」



STEP 4:レギュレーターASSYを摘出
ガラスが固定できたら、機械部分を取り外します。
- サブチャンネル取付ナット下写真緑囲みの(2個)を外す。
- モーターのコネクターを外す(固定クリップも外す)。
- レギュレーターASSY取付ボルト下写真青囲みの(4本)を外す。
- 知恵の輪のようにして、ドアパネルの大きな穴からASSYごと取り出す。



作業手順②:モーターの分解清掃
取り出したレギュレーターからモーターを分解し、心臓部をリフレッシュします。
STEP 1:モーターケースの開封
固定ネジ3本を外し、モーターケースを引き抜きます。 この時、磁力でローター(回転軸)も一緒に抜けてくることがあります。コイルのエナメル線を傷つけないよう慎重に抜いてください。
※チェックポイント ローターとケース内の磁石が擦れた跡がありましたが、動作に支障が出るレベルでなければそのまま使用します。


STEP 2:整流子(コミュテーター)の研磨
電気が通る「整流子(銅色の部分)」を見てください。黒く汚れて溝ができているはずです。これがパワーダウンの原因です。
- 研磨: 600、1000番のペーパーで汚れを落とし、段付き摩耗を軽く平らに整えます。
- 洗浄: IPA(アルコール)とブラシを使い、溝に詰まった削りカスを徹底的に洗浄します。
タミヤ フィニッシングペーパー (細目セット)
整流子を磨くのに丁度いい番手(1000番など)が揃っています。ホームセンターの紙やすりより耐久性があり、均一に磨けます。「プラモ用だけど整備にも最高。信頼のタミヤ品質」
KURE(呉工業) エレクトロニッククリーナー
IPAでも代用可能ですが、専用の電子パーツクリーナーなら樹脂への攻撃性が低く、速乾性で拭き取り跡も残りません。整流子の洗浄に最適。「デリケートな電子部品の汚れを瞬時に除去」




STEP 3:ブラシの清掃
ケース側に残っている「ブラシ」も点検します。 今回は摩耗限界ではなかったので、角を軽くペーパーで整え、ケース内に飛び散ったカーボン粉をきれいに拭き取りました。


STEP 4:【難所】ブラシの組み込み
組み戻す際、バネで飛び出しているブラシが邪魔をしてローターが入りません。
- 裏技: クリアファイルを小さく切って筒状にし、**ブラシを押し広げるガイド(スペーサー)**として使うとスムーズに入ります。無理に押し込んでブラシを割らないように注意!
作業手順③:復元と動作確認
分解と逆の手順で組み戻します。
- モーターをレギュレーターに組む。
- ASSYをドア内に戻し、ボルト(4本)とナット(2個)を**規定トルク(4.3~5.9 N·m)**で締める。
- コネクターを接続。
- ガラスを慎重に下ろし、レギュレーターとボルト結合。
- 防水シート、トリムを戻して完了。
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まとめ:スイッチとモーター、両方の清掃で完璧!
モーター清掃後、動作確認をすると… **「ウィィーン!」**と、力強い音が戻り、ガラスがスムーズに上下するようになりました!
今回はモーター編でしたが、スイッチ側の接点不良も併発していることが多いです。 スイッチの分解清掃については、こちらの記事で詳しく解説しています。
👇 [【E25キャラバン】スイッチ分解清掃の手順はこちら]

両方やれば、新車のような快適さが戻ってきますよ。

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