はじめに:純正は「丸ごと交換」のみ!? 安く済ませる裏技
車検前の点検で「ロアボールジョイントブーツ」の破れが見つかると焦りますよね。 純正部品を注文しようとすると、ゴムブーツ単体の設定がなく**「ロアアームごとのASSY交換」**と言われてしまうことがあります。
これでは部品代だけで数万円コースです。 しかし、ここでも**「大野ゴム工業」などの社外品を使えば、ブーツ単体での交換が可能**です。
この記事では、E25系いすゞコモ(日産キャラバンOEM)を使って、Amazon等で買える社外ブーツへの交換手順を徹底解説します。前回の「タイロッドエンド」より少し難易度が高いので、心してかかりましょう!
今回の車両と使用パーツ
- 車両: 平成14年式(2002年)いすゞ コモ(型式:GE-JCQGE25)
- ※E25系 日産キャラバンと共通です。
- 交換する社外パーツ:
- メーカー:大野ゴム工業(OHNO)
- 品名:ボールジョイントブーツ(ロア用)
- 品番:DC-1688
- ※左右交換する場合は2個必要です。
必要な工具とトルクデータ
ロアボールジョイントは非常に強い力で固定されているため、大型の工具が必要です。
🛠 使用工具
- ジャッキ & リジッドラック(ウマ)
- ホイールナット用レンチ(17㎜)
- 27mm ソケットまたはレンチ(ロアボールナット用)
- タイロッドエンドプーラー(開口部が広い強力なもの)
- ダブルハンマー(大きめのハンマー)
- ウォーターポンププライヤー
- トルクレンチ(200N·m対応のもの推奨)
🔧 締め付けトルク規定値
- ホイールナット:108 N·m(11.0 kgf·m)
- ロアボールジョイント取付ナット(27mm):118~191 N·m(12~19 kgf·m)
- (参考)ロアアーム取付ナット(19mm×4個):73~88 N·m
🛠 DIY作業前に揃えたい「安全装備」チェックリスト
今回のロアボールジョイントブーツ交換のような足回りの整備は「重い・硬い・高いトルク」を扱うため、怪我のリスクが伴います。作業前に以下の装備を必ず確認してください。
- リジッドラック(ウマ): ジャッキアップしたままの作業は「自殺行為」です。必ず信頼できるメーカーのウマを2脚セットで使用してください。

- 保護メガネ(セーフティグラス): プーラーが外れた際や、泥・錆、グリスが目に入るのを防ぎます。特に下回りの作業では必須です。
- メカニックグローブ(耐切創タイプ): ボルトが緩んだ瞬間に手をぶつける「ナックルバスター」や、金属のバリによる切り傷を防ぎます。

- 安全靴(または厚手の靴): 万が一、工具やタイヤが足の上に落ちた際の骨折リスクを大幅に軽減します。
- 作業用マット(寝板): 段ボールを敷くだけでも地面に直接寝るよりも体への負担を減らし、不意の怪我を防いで集中力を維持します。
- パーツクリーナー & ウエス: グリスで手が滑ると工具が外れて危険です。常に手と工具を清掃しながら作業しましょう。
DIYは自己責任ですが、装備を整えることでそのリスクは最小限に抑えられます。
交換手順(右側)
1. ジャッキアップとタイヤ取り外し
ジャッキアップを行い、必ずリジッドラック(ウマ)をかけて安全を確保してからタイヤを外します。

2. 割りピンを抜き、ナットを「緩める」
ロアボールジョイントの固定ナット(27mm)の割りピンを抜き、ナットを緩めます。 【重要】ここでもナットは完全に外さず、ボルトの先端と平らになる位置に残しておきます。 (外れた瞬間の部品飛び出し防止と、ネジ山保護のため)
京都機械工具(KTC) 12.7sq セミディープソケット 27mm
- 一般的な工具セットには入っていない特大サイズ。これが無いとナットが回せません。

3. ロアボールジョイントを外す(最大の難所)
ロア側はタイロッドエンド以上に強固に固着しています。
- プーラーをかける: バンタイプは部品が大きいため、開口幅を広く調整できる強靭なプーラーを使用してください。
- 衝撃を与える: プーラーでテンションを掛けた状態で、ナックルの接続部をダブルハンマーで叩きます。
- ジャッキの活用(裏技): それでも外れない場合、ロアアームの下に木片を当ててジャッキで少し持ち上げ、角度を変えるなどの工夫が必要です。
※プーラーをかけたまま不用意に覗き込むと、外れた瞬間に工具が弾け飛ぶことがあり危険です。慎重に作業してください。
タイロッドエンドプーラー(強力型)
- ロアボールジョイントは非常に硬いです。安価なものだと工具側が壊れることがあるため、しっかりした作りで開口幅が広いものを選びましょう。
4. 古いブーツの取り外し
カシメタイプなので、マイナスドライバーでこじって外します。 ゴム部分が取れても、金属のリング(カシメ)部分がジョイント側に残ることがあるので、必ず確認して取り除いてください。
5. グリスアップと新品ブーツ(DC-1688)取付
- 古いグリスを拭き取り、新しいシャーシグリスを適量塗布します。
- 注意: ブーツの中にグリスを詰めすぎると、圧入時や走行中に溢れ出し、ブーツ破損の原因になります。ジョイント部に塗る程度でOKです。
- 新品ブーツ(DC-1688)を取り付けます。
- 専用工具がない場合、プライヤーにゴムシート等を挟んで傷防止をし、カシメ部分を均等に圧入します。
大野ゴム(OHNO) ボールジョイントブーツ DC-1688
- 今回の主役パーツ。E25キャラバン/コモのロア側適合品です。安いので左右同時交換がおすすめ。

6. ナックルへの取り付け・トルク管理
いよいよ組み付けです。ここは非常に高いトルクが必要です。
- **規定トルク(118~191 N·m)**で締め付けます。
- 範囲内で、割りピンの穴位置が合うように調整します。
- 新しい割りピンを通して固定します。
重要:足回りの整備にトルクレンチは必須です。
7. 最終確認
タイヤを取り付け、ホイールナットを規定トルクで締めれば完了です。
プレセット型 トルクレンチ(40-200N・m対応)
- 108N・m(ホイール)〜191N・m(ロアボール)までカバーするには、このレンジのレンチが必要です。足回りの命綱です。
👇【トルクレンチ選びに困った時の参考記事】


まとめ:難易度は高いが効果は絶大!
ロアボールジョイントの交換は、大型の27mmナットや強固な固着との戦いになるため、タイロッドエンド交換よりも**「パワーと根気」**が必要です。
しかし、ASSY交換(数万円)を部品代1,000円台で済ませられるメリットは計り知れません。 DIYで挑戦する際は、くれぐれもジャッキ外れや工具の破損に注意し、安全第一で行ってください。
E25キャラバンの維持費、もっと安くできるかも?
「古い車だから修理代がかさむのは仕方ない…」と諦める前に、まだできることがたくさんあります。パワーウィンドウの0円修理、社外パーツを活用した足回り整備(タイロッドエンドブーツ、アッパーブーツ)、そして数万円浮くユーザー車検。
10万キロ、20万キロと愛車を元気に走らせ続けるための**「DIYメンテナンスの全記録」**をこちらで公開しています。 👇 [愛車を長く、安く維持する!E25キャラバンDIYノウハウまとめ]
DIY完全バイブルアイキャッチ-300x200.png)
自動車保険の見直しも「DIY」で!
車検費用を安く抑えたなら、毎年の固定費「自動車保険」も見直しのチャンスです。 条件を変えずに保険会社を変えるだけで、年間数万円の節約になることも珍しくありません。浮いたお金を次回の整備費用に回しましょう!

