はじめに:純正部品が出ない!? ブーツ破れを安く直す裏技
車検前の点検で「タイロッドエンドブーツ」の破れを発見…! このままでは車検に通りません。急いで純正部品を調べると、まさかの事実が判明します。
「純正部品はタイロッドごとのASSY(丸ごと)供給しかない」
丸ごと交換となると、部品代が高額になるだけでなく、アライメント調整も必要になり工賃も跳ね上がります。「ゴムカバーを変えたいだけなのに…」と諦めるのはまだ早いです。 「大野ゴム工業」などの社外品を使えば、ブーツ単体での交換が可能です。
この記事では、E25系いすゞコモ(日産キャラバンOEM)を使って、Amazon等で買える社外ブーツへの交換手順を徹底解説します。
今回の車両と使用パーツ
- 車両: 平成14年式(2002年)いすゞ コモ(型式:GE-JCQGE25)
- ※E25系 日産キャラバンと全く同じ構造です。キャラバンユーザーの方もそのまま参考にしてください。
- 交換する社外パーツ:
- メーカー:大野ゴム工業(OHNO)
- 品名:ボールジョイントブーツ(タイロッドエンド用)
- 品番:DC-2656
必要な工具とトルクデータ
作業を始める前に、工具と数値を準備しましょう。特に足回りの整備にトルクレンチは必須です。
🛠 使用工具
- ジャッキ & リジッドラック(ウマ)
- ホイールナット用レンチ(21mmまたは19mm ※社外ホイールの場合)
- メガネレンチ・ソケット(17mm, 24mm)
- タイロッドエンドプーラー(必須級)
- プライヤー / ペンチ
- ハンマー
- トルクレンチ
🔧 締め付けトルク規定値
- ホイールナット:108 N·m(11.0 kgf·m)
- タイロッドエンド取付ナット:30~39 N·m(3.0~4.0 kgf·m)
交換手順(右側)
1. ジャッキアップとタイヤ取り外し
ジャッキアップを行い、必ずリジッドラック(ウマ)をかけて安全を確保してからタイヤを外します。 ※ジャッキアップポイント等はメーカー指定位置を確認し、安全第一で行ってください。

2. 割りピン(コッターピン)を抜く
タイロッドエンドのナットに刺さっている割りピンを抜きます。
- 注意: 割りピンは再利用禁止です。新品を用意しておきましょう。

3. 取付ナットを「緩める」(外さない!)
24mmのレンチでナットを緩めます。 【重要】ここでナットを完全に外してはいけません! 次の工程でプーラーを使う際、ネジ山を保護するために、ナットはボルトの先端と平らになる位置にかけておきます。
4. タイロッドエンドをナックルから外す
ここが最大の難所です。テーパー状にガッチリ嵌合しているため、手では絶対に外れません。
- 推奨:タイロッドエンドプーラーを使用する
- E25系のようなバンタイプは部品が大きいため、開口幅(ジョーの開き)が調整できる強靭なプーラーを選んでください。
- 注意点: 私は今回、ナットをかけ忘れてプーラーを使い、ネジ山を潰してしまいました…。必ず「捨てナット」か「緩めたナット」をかけた状態でプーラーを締め込んでください。
※ハンマーで叩けば外れる? 「ナックルをダブルハンマーで叩けば外れる」という職人技もありますが、DIYではおすすめしません。私も試しましたが、全く外れませんでした。素直に工具に頼るのが近道です。
タイロッドエンドプーラー(開口幅調整タイプ)
- これがないと作業が始まりません。E25のような商用車は部品が大きいので、安価な小型プーラーでは爪がかからないことがあります。「開口幅」が広い、または調整できるタイプを選んでください。
※右側の写真撮り忘れました。ごめんなさい!

5. 古いブーツの取り外し
純正ブーツはカシメタイプ(圧入)です。バンド留めではないので、マイナスドライバー等を隙間に差し込み、こじるようにして取り外します。

- ご参考:外した純正ブーツの刻印
ERO777MO48522 VWOOR


6. グリスの入れ替え
古いグリスを拭き取り、新しいシャーシグリスを充填します。ボールジョイント部にゴミが入らないよう注意してください。
万能グリス(シャーシグリス)
- ブーツ交換ついでに必ずグリスアップを。数百円で買えるチューブ入りが使いやすくて便利です。

7. 新品ブーツ(DC-2656)の取り付け
Amazonで調達した大野ゴム製ブーツを取り付けます。 専用のインストーラーが無い場合、「ウォーターポンププライヤー」に「タイヤチューブ(ゴム片)」を挟んで傷防止をし、均等に挟み込むことで圧入できました。
大野ゴム(OHNO) タイロッドエンドブーツ DC-2656
- 今回の主役。純正部品が出ないE25系の救世主です。左右分2個での購入がおすすめ。



8. ナックルへの取り付け・トルク管理
タイロッドエンドをナックルの穴に戻し、ナットを締めます。
- **規定トルク(30~39 N·m)**で締め付ける。
- ナットの溝(王冠部分)と割ピンの穴が合う位置を確認する。
- もし穴位置が合わない場合、規定トルク内で微調整して合わせます。

9. 割りピンを入れて完了
新しい割りピンを通し、先端を曲げて固定します。最後にタイヤを取り付け、ホイールナットを規定トルク(108 N·m)で締めれば作業完了です。

プレセット型 トルクレンチ「自動車用 トルクレンチ 12.7sq」
- 「なんとなく」で締めると、走行中に外れる(大事故)か、ネジ切れるかのどちらかです。足回りDIYの必須ツール。
👇【トルクレンチ選びに困った時の参考記事】


まとめ:DIYで数万円の節約に!
純正ASSY交換なら部品代だけで高額になりますが、社外ブーツ(DC-2656)を使えば、部品代は左右で1,000円〜2,000円程度。このコストパフォーマンスは圧倒的です。
ただし、足回りは重要保安部品です。
- ウマをかけて作業を行う
- 必ずトルクレンチを使う
- プーラーで安全に外す
- 自信がなければプロに頼む
これらを守って、安全にユーザー車検をクリアしましょう!
【重要】
ジャッキは「持ち上げる」ための道具であり、「支える」道具ではありません。
作業時は必ず**「ジャッキスタンド(ウマ)」**を併用してください。
👇 ジャッキスタンドの解説へジャンプ
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