ボディアクションせずに簡単にフロントアップできないかな~
トルクアップ、軽量化、操作系などのカスタムで、平地でも一速低速からのフロントアップは、ボディアクションなしで簡単になったよ。もちろん鋭い加速もたのしめます。
使用車両:SEROW250 2017年 DG17J
セロー 250ノーマルの時は、平地で一速低速から確実にフロントアップしようとしたら、前後への体重移動でフロントスプリングの反発力+エンジン回転数を上げたままクラッチをつながないといけなかったのですが、今回紹介するカスタムで、フロントスプリングを強化しているにもかかわらず、山・林道走行では小さな丸太ならスロットルグリップをひねるだけで超えられます。
こちらの記事では、トレッキングなど山で遊ぶ際必ず行う「フロントアップ」と「低速での鋭い加速」に関係するカスタムを一挙にご紹介いたします。
この記事のカスタム
- 操作性アップ
ハンドル交換
ワイドステップ - トルクアップ(軽量化)
ハイスロ(ハイスロット)化
排気効率アップ(エキパイ、マフラー交換)
吸気効率アップ(エアクリーナ吸気口を拡大)
ヤマハ(純正) AIキャンセル
クランク内圧コントロールバルブ
減速比変更(加速重視、トルク重視)
軽量化(バッテリーリチウム化、リヤフェンダー交換) - クラッチ強化
強化クラッチスプリング交換
クラッチリテーナー装着 - この記事の次に改善したい所
フロントサスペンション強化
ビードストッパー取り付け
では、順番に紹介します。
ハンドル交換
ハンドルバーを変えるだけで、フロントアップがやりやすくなります。セロー250のノーマルハンドルバーは「幅」760mmと狭すぎて、フロントアップやオフロード走行でハンドルバーを握っておくには、腕の力にだけ頼ることになりますが、一番大きな大胸筋を使った方が楽にフロントアップできて、オフロード走行も長く楽しめます。
幅の目安は、腕立て伏せで一番大胸筋に効く幅(中間位置で肘が直角になる幅)です。
それから「引き」も78mmと体に近すぎてツーリングには向いていますが、フロントアップがやり易いのは、50~55mmあたりです。
最後に「高さ」91mmですがこちらは普通です。
具体的に2つ紹介いたします。
ZETA(ジータ) CXバー7/8(22.2mm)/ブラック MX-123 ZE09-1231
※セロー250純正ハンドル径:22.2mm
ZETA MX-123は、幅と引きがノーマルバーよりフロントアップしやすくなりますが、高さはあまり変わりません。ツーリング、トレッキング、フロントアップのいずれも楽しめるバランスの良いバーだと思います。強度はノーマルバーより上がりますので、ガレバで転倒してもよほどのことがない限り曲がりません。
DIRTFREAK(ダートフリーク)のサイトにはノーマルハンドルバーとの形状比較ができる便利なZETAハンドルバーシミュレーターがありますのでリンクを貼っておきます➜ZETA HANDLE BEND SIMULATOR
RENTHAL (レンサル )7/8BAR Trial Bar 4.5INC トライアル SILVER 742-04
RENTHAL Trial Bar 4.5INCは、ツーリングには不向きですが、高さが104mmと高くなるのでZETA MX-123よりフロントアップしやすくなるトライアルバーです。2cm程幅広ですので体に合わせてカットするなり、ご自身の体格にあったハンドルバーに調整が可能です。
ワイドステップ
ステップが大きくなることで、安定したスタンディングが可能になり、丸太越えなどの際、体重を車体にかけやすくなります。また、ツーリングの疲労も軽減できます。
DRC (ディーアールシー) クロモリ ワイドフットペグ Mid(純正高)
メーカー品番:D48-02-535
JANコード:4547836240621
ハイスロ(ハイスロット)化
ハイスロ(ハイスロット)化とは、ノーマルのスロットルレバーの回転より少ない回転で、エンジンの回転数を上げることができるようにすることです。
ヤマハ純正 YZ-250グリップ アセンブリ 17D-26240-90
実際にどうするのかと言うと、スロットルワイヤーをかけるノーマルのスロットルチューブの径より、径が2~3mm大きいヤマハYZ-250(WR250用でも可)純正品のスロットルチューブに交換します。トリッカーのハイスロ化も同様です。
アッセンブリしか販売がないのでグリップもついてきますが、お好みのグリップに変更してください。
交換する時は、隙間からブレーキパーツクリーナーを吹き付けた後、その隙間からエアガンでエアーを入れてあげると綺麗に取れやすいです。接着材が効いているとグリップが風船みたいに膨らむ事もあるので、注意して下さい。初めからマイナスドライバーを使って外しても構いません。
グリップを取り付ける際も、接着材を着けた後、ブレーキパーツクリーナーをグリップにひと吹きして入れるとスムーズに入れることができます。
ZEATAスリムグリップは、細身のグリップで、ツバが小さいのでクラッチレバーが干渉しにくく、ウィンカースイッチの操作も楽です。特に手の小さい方にはオススメです。
マフラー交換
マフラーは、抜けが良すぎると低速トルクが落ちて、高速域のエンジンパワーがアップします。セロー250のマフラーを交換した方にうかがうと、どのマフラーも低速から高速までトルクが上がったと言う意見が多いのでふしぎですが、マフラー交換で間違いないメリットは軽量化です。車体が軽くなることでトルク感が上がりますので、フロントアップもやり易くなります。
それから、山で遊んでいて転ぶのはだいたい急な坂や悪路です。そんな場所で起こして乗り込むことを考えるとマフラーは軽くしておきたいです。
トレッキング仕様セロー250のマフラー選びは、パワー、トルクアップは副産物と考え、ノーマルマフラーより軽量なものの中から、お好みのデザインや音やご予算で決めるのがよろしいかと思います。
各マフラー重量
- ノーマル(ヒートガード除く) 3.9Kg
- FMF( エフエムエフ)Powercore4(レース専用モデル) 1.72Kg
- DELTA(デルタマフラー)BARREL4 Silencer(レース専用モデル) 1.8Kg
DL30-6205 SEROW250 ’05~20 - DELTA(デルタマフラー)BARREL4S Silencer (JMCA公認) 1.8Kg
DL30-7202 キャブレータモデル SEROW250 ’05~07
DL30-7207 フューエルインジェクションモデル SEROW250 ’08~17
DL30-7208 SEROW250 ’18~20 - SP忠男 POWERBOX Titan&Carbon 1.1Kg
FMF( エフエムエフ) Powercore4 スリップオンマフラー (レース専用モデル)044313 トリッカー セロー250 XT250X
音は若干大きめですが、音質、形、ステッカーがカッコいいマフラー。
取り付けも楽です。下に紹介する「dBs EX2Fチタンエキパイブッシュマスター」に液状ガスケットなど無しでぴったりポン付けできました。しかし、SP忠雄POWERBOXにはポン付けとはいかないようです。
DELTA(デルタマフラー)BARREL4 Silencer(レース専用モデル)DL30-6205
レースでの実績あるマフラーを付けたい方にオススメ。
鈴木健二選手が2016年のJNCCのFUNクラスへノーマルエンジンSEROW250で出場し、優勝した他、全日本エンデューロ選手権の日高ではレーサーに混じり3位を獲得した際、使用していたマフラーがDELTA(デルタマフラー) BARREL4です。
DELTA(デルタマフラー) BARREL4S Silencer (JMCA公認)
DELTA(デルタマフラー) BARREL4の音が静かなタイプ。JMCA公認。
- DL30-7202(JAN:4547836081903) キャブレータモデル SEROW250 ’05~07
- DL30-7207(JAN:4547836127267) フューエルインジェクションモデル SEROW250 ’08~17
- DL30-7208(JAN:4547836338557) SEROW250 ’18~20
SP忠男 POWERBOX Titan&Carbon(SE2-PB-03)
チタンとカーボン究極素材を使用した重量1.1Kgとかなり軽量なモデル。
適用車種:SEROW250 ~2017 、’18~
公道走行可能です(適用車種へ装着の場合に限ります)
DRC ダートフリーク DL32-5031 DELTA カーボンパーツ ヒートプロテクター WR250R/X
DELT ABARREL4 Silencer用ですが、FMF( エフエムエフ) Powercore4にもピッタリです。パンツ溶け防止。タンデムするなら同乗者のためにも必需品です。
エキパイ交換
一般的に排気管長が長くなるとトルクアップします。短いストレート管でも、見た目やトレッキング時の転倒による破損が減ったり、軽量化などメリットもあります。
dBs EX2Fチタンエキパイブッシュマスターファイア ヒートガード付
SEROW 250(05-17) XT250-EX2F-RISE
「dBs XT250-EX2F-RISE」はチタン製で焼けると綺麗なブルーになる上に、カーボンのヒートガード付で機能良し、見た目良し、軽量化もできてコスパが良く、加工精度も良いので、FMF( エフエムエフ) Powercore4にもポン付けできました。とってもオススメです。別売りのトルクブースター装着でトルクアップも可。
dBs トルクブースターSEROW250(05-17) EX2-BST
dBs EX2F、dBs EX2に装着してトルクアップ。
DELTA トルクヘッドパイプ
DELTA(デルタマフラー)BARREL4 Silencerとセットで鈴木健二選手がレースで使用した実績のある、デルタ製エキパイ。
DL30-2202 ’05-17
DL30-2203 ’18-20
SP忠雄 POWERBOX SE2-PB-01
とても人気があるので付けてる人が多いです!トルクアップも期待できます。
ヤマハ純正 ガスケット エキゾーストパイプ 3GD-14613-00
対応サイズ:48.5×38×5.1mm
エキパイ交換の際、エンジンとエキパイの間の純正ガスケット交換が必要になりますので、ご準備ください。
エアクリーナ吸気口を拡大
エキパイとマフラー交換で排気効率を上げたら、吸気効率を上げるのがお決まりです。
シートを外してエアクリーナーボックスの吸気口を、ドリル・カッター・小さいノコギリなどを使用して約倍に拡大。
AIキャンセル
AIキャンセルの主な効果は、社外マフラー交換時のアフターファイヤー低減対策、軽量化、トルクアップがあげられます。社外マフラー変更時の定番メニューです。
DG17だけの装備ですので、 2018~2020の最終型セローは最初からAIキャンセルされています。
必要部品
- シリンダー側のメクラ蓋
ヤマハ純正部品(4D3-1112F-00) - シリンダー側のメクラ蓋ガスケット
ヤマハ純正部品(5XT-14815-00) - マニホールド側キャップ
ヤマハ純正部品(16G-13569-00) - マニホールド側キャップクリップ
ヤマハ純正部品(90467-10039) - エアクリーナー側キャップ
都市ガス用ガスキャップ 外形9mm用 - エアクリーナー側キャップクリップ
適当な長さのタイラップ
クランク内圧コントロールバルブ
AIキャンセルでは軽量化程度のメリットしかないが、純正AIシステムをクランク内圧コントロールバルブに改造すると、クランクケース内部が負圧になりクランクの回転に抵抗が少なくなるなどメリットが多いです。
詳細は別記事で紹介させていただきます。こちら➜セロー250 内圧コントロールバルブ高難度だが最安最強の方法
減速比変更(加速重視、トルク重視)
加速重視、トルク重視の減速比変更とは、駆動輪であるリヤタイヤの回転を少なくすることです。
フロントスプロケット「15丁➜13丁」
SEROW250ですと、ドライブスプロケットを 「15丁➜13丁」に変更するのがオススメです。
- DRC(ディーアールシー) デュラ DURA フロントスプロケット 428/13T
SERROW250’05~ D331-415-13 - ヤマハ純正 ワッシャー ロック 90215-23265
ドライブスプロケット交換時 同時交換。
加速重視、トルク重視の減速比変更方法
- ドライブ(フロント)スプロケットを小さくする=丁数(歯数)少なく
- ドリブン(リア)スプロケットを大きくする=丁数(歯数)多く➜リヤスプロケットの方が細かい調整が可能だが、チェーンを長くする必要があるし、リヤスプロケットの方が高い。
※最高速重視なら逆です。
軽量化(リチウムイオンバッテリー化、リヤフェンダー交換)
DRC ディーアールシー タフスター リチウムバッテリー 102型
軽量化効果絶大!
ノーマルバッテリーYUASA YTZ7S 2.1Kg➜DRC 102型リチウムバッテリー0.5kg
バッテリー交換手順
小さくなるのでリチウムバッテリー付属のスポンジで固定する。
リヤフェンダー交換
SEROW250(~2017年)ですと、若干の軽量化と見た目を良くすることができます。
費用を抑えたい方は、DG31J型SEROW250の純正リヤフェンダー(部品番号:5C1-21611-21)のみ交換、ポン付けはできません。交換するフェンダーとテールランプ周りは加工が必要です。
DG31J型SEROW250の純正リヤフェンダー+お好みのフェンダーレスキットだと比較的簡単に交換が可能だと思います。加工は必要になりますが。
クラッチ強化(クラッチスプリング強化、クラッチリテーナー装着)
強化クラッチスプリングとクラッチリテーナー(ワッシャー無し)が一番強くクラッチが繋がりフロントも浮きやすく、ディスク類も長持ちします。
ただし、クラッチレバーが重くなりますので、無理のない重さが良いと思います。
重い時は、クラッチリテーナーにワッシャーを追加挿入するほど軽くなります。
それでも重い時はノーマルクラッチスプリング+クラッチリテーナー(ワッシャをお好みの軽さまで増す)にして調整します。
組む時、クランクカバーガスケットにグリスをしっかり塗っておくと、再調整でクランクカバーを外す際、ガスケットを再利用できやすくなります。
最終的に、純正スプリングでワッシャー無しがちょうどだった。という方も多いようです。
クラッチワイヤーエンジン側のレバーのスプリングを外すだけでもクラッチレバーが少し軽くなります。
ワイヤーのテンションが無くなるので、少しハンドル側レバーが振動するかもしれませんが、問題ありません。
工房きたむら クラッチスプリングリテーナー
YAMAHA SEROW250 tricker YZ250FX(〜19)XT250X WR250R(X)WR250F(〜18)YZ250F(〜18)YZ125 SY250F
¥6,600 (税込) 送料550円
ADVANTAGE(アドバンテージ)強化クラッチスプリング
SEROW250(05〜)商品番号094-Y0003-05 JANコード4580340002330
クラッチスプリング交換、クラッチリテーナー装着時必要になる純正部品
ヤマハ純正 ガスケット クランクケース カバー2 4D3-15461-00
ヤマハ 4ストロークオイル ヤマルーブ スタンダードプラス (10W/40 シェル1Lキャップ缶) [ 90793-32148 ]
ヤマハ純正 ガスケット 90430-12213
サイズ:M12
オイルフィルター用 ヤマハ純正 O-リング(341) 93210-54175
この記事の次に改善したい所
フロントサスペンション強化
山・林道走行(トライアルっぽい遊び)では、フロントスプリングを純正より柔らかくするのが常道なのに、なぜ強化しているのかと言うと、セロー250のフロントスプリングはフニャフニャなので、45度ぐらいの急な坂を下りる時、前のめりに回転しないための対策です。
フロントスプリングに関しては、こちらで詳しく紹介しておりますのでご確認ください➜セロー250 良く動くフロントサスペンションカスタム
ビードストッパー取り付け
山での走行は空気圧を下げて走行しますのでパンク防止にビードストッパーを取り付けると安心です。その際フロントアクスルのグリスアップを行うとサビ防止とフロントホイールの回転抵抗が低くなります。
では、愛車セローのメンテナンスが完了したら旅やツーリングを楽しんでください。