セロー250 良く動くフロントサスペンションカスタム

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セロー 250 良く動くフロントサスペンションカスタム
悩んでいる子ねこ

セロー250の純正サスペンションは山で使うには、スプリングが弱くて奥で踏ん張れない、また、初期動作が悪くもっさりした動きを改善したい。

ねこ先生

わかります!急な下り坂ではコントロールできなくなって怖いです。そこで、純正よりフロントサスペンションが良く動くカスタムをご紹介します。

使用車両:SEROW250 2017年 DG17J
ライダーの体重は、65Kgでのセッティングです。

先ずは、セロー250のサスペンションの知識から、走行中に地面等から受けた衝撃をスプリングが緩和し、さらにスプリングが元に戻るまでの間発生する上下振動をダンパー(フロントフォークオイル、リヤならショックアブソーバー)が吸収し収束しています。 このダンパーによるスプリングの振動を吸収し収束する力を減衰力と言い、減衰力を変えることで体感的にサスペンションの硬さや柔らかさを変えることができます。

この記事では、せろー250のフロントサスペンションを、トレッキング、トライアルセッティングにしていきます。

ハードスプリングに交換することで、ノーマルより奥でしっかり踏ん張ることができるようになり、急な下りもコントロールしやすくなりました。

スプリングを押し縮めるとわずかにバネ外径が広がり、同時に巻き方向と逆方向に回る力が発生し、フロントフォークの初期作動を阻害するので、フロントフォークにスラストベアリングを入れることで、解消しフロントフォークの動作をスムーズにしました。

オイル粘度を下げ減衰力を低くし、オイル量を減らすことで、空気バネが増え初期動作はノーマルよりスムーズに動くようになり、リバウンドスピードも上がり、ノーマルより縮みやすく伸びやすいサスペンションになるって、フロントアップしやすくなりました。また、フロントアップのタイミングもとりやすくなりました。

イニシャル(プリロード)アジャスター(スプリングにテンションをかけるやつです)を取り付けて、「バイクの姿勢」を調整します。硬さではなく高さ調整です。

例えば、キャスター角が寝ているチョッパー状態だと、真っ直ぐ走ろうとする力が強く曲がりにくくなり、また、サスペンションのフィーリングは柔らかくなります。そういう時は、フロントにイニシャルをかけるとスプリングにテンションがかかり、フロント車高が高くなって曲がりやすくします。

スイングアームのピボットニードルベアリング化により悪路や段差への追従性を増して、地面にいつも接地している状態になるようにしました。

リヤサスペンションについては、費用対効果を鑑みて、これ以上手を加えておりません。リヤショックO/Hの時期に、「純正リヤショックのリバルビング」「OHLINS Gセンスオリジナル S36DR1L」「TGR TECHNIX GEAR TEC-1.1」のいづれかを検討中です。

それでは、もう少し細かく紹介させて頂きます。

目次

フロントフォークハードプリング交換

DRC フロントフォークスプリング (品番:D35-01-343)

オフロード走行をする際に、最も適したサスペンション効果を得られるスプリングを独自に設計されています。体重 65kgを目安に、SEROW25005-20年 スプリングレートノーマル比約20%UP。

ダート走行時のスタビリティの向上・底突き感を軽減し、様々なフィールドでストレスのない快適なスポーツライディングを実現したスプリングです。

DRCフォークスプリングマーキング

注意!
マーキングが下側になるように組み付けてください。

TGRオールラウンドレート(THSFSEROW250)

体重が65Kgより軽い方や、DRCで硬すぎる場合は、「TGRオールラウンドレート(THSFSEROW250)」のフロントスプリングレートはノーマルよりも約10%UP(バネレートはノーマル3.8N/mmに対し、TGRは4.2N/mmと約10%アップ)を選んでも良いかもしれません。

TGRストリート、トライアル 用レート(THSFSEROW250H)

「TGRストリート、トライアル 用レート(THSFSEROW250H)」のスプリングレートは、ノーマルよりも約15%アップ(4.6N/mm)ですから、「DRC(D35-01-343)」とほとんど変わらないと思います。DRCと比べ5,000円以上高いですが、リアショックに「TGR TEC-1.1 Performance shock」を着けているから同一メーカーで揃えたい場合は選んでも良いかもしれません。

フロントフォークにスラストベアリング

数百円でできるカスタムです。やって損はないでしょう!

セロー250フォークスプリング

スプリングを押し縮めるとわずかにバネ外径が広がり、同時に巻き方向と逆方向に回る力が発生し、フロントフォークの初期作動を阻害します。フロントフォークの初期動作をスムーズにすることを狙って入れたスラストベアリングとワッシャーを3000km走行後2年半ぶり取り出してみました。

2年半3000km走行した スラストベアリング裏表

スペーサーと接触しているワッシャーの上側面に白濁したフォークオイルと腐食が見られました。スラストベアリング当たり面を見る限り狙い通り動作しているようで、実際にノーマルに比べ初期動作がスムーズになりフロントサスペンションが機敏に動いていることを体感できました。

必要数量 左右分

  • IKO 日本トムソンAS1629 スラストワッシャ 4枚
  • IKO 日本トムソン NTB1629 スラストニードルベアリング 2枚
ニホントムソン
¥400 (2024/10/07 21:50時点 | Amazon調べ)

ZETA イニシャルアジャスター(ZE56-10524)

サスペンションのイニシャル調整を可能にします。高さ調整ですね(フロントに掛けると前が高くなり、リヤを掛けると後ろが高くなります)、イニシャル調整可能範囲は-5mmから+10mmに設定できます。体重にあわせたセッティングやオフロード走行する場合など様々なシチュエーションに対応できます。スプリングにイニシャルをかけることで、急制動による沈み込み(ノーズダイブ)を軽減。

また、高速走行や激しいライディングによってサスペンション内部に溜まったハイプレッシャーエアを、工具を使うことなく逃がすことができるエアブリーダーが付いています。実際押してみると、少し走っただけで結構溜まることに驚きます。

サスの硬さは、スプリングの「バネレート」でしか変えられません。イニシャル(プリロード)は、そのスプリングを上から押し込んでいるだけなので、サスの初期動作が固くなります。反発は強くなるかもしれませんが、物理的に硬くはなりません、右回しで締め込み、左回しで弱くなります。

コーナーで突っ込みの時に前が低すぎたらイニシャルかけて少し高くして、旋回中後ろが低く感じたらリヤのイニシャルかけます。

今回は、フロントイニシャル(プリロード)14mmかけています。

セロー250フロントフォークスプリング

エンデューロレースなどに出られる方、スポーツ走行する方は、前後ハードスプリング、フォークオイル固めにした上で、純正のカラーと差し替えて、イニシャルをさらにかけるようです。

フォークオイル交換

フォークオイルの粘度はサスペンションのストロークスピード(動く速さ)を変えるだけと考えていただいていいと思います。

フォークオイルには#5、#10、#15といった異なる粘度があり、番号が大きい方が粘度が高くなり、粘度が高いオイルの方が減衰力が高まります。 減衰力が高いということはフォークが縮みづらく伸びづらくなるということで、ハードな走りをする場合にはオイル粘度を上げることがあります。

トライアル設定はハードスプリングに粘度の低いオイルを使用し、油面は少し下げる。ハードスプリングにより縮み側はノーマルよりしっかりして、ぐにゃぐにゃ沈み込まなくなり、粘度の低いオイルを使用し、油面は少し下げることで、(縮みやすく伸びやすい) 伸びるスピードは速くなるため、沈んだ後すぐに戻る感じが強くなり、ノーマルのもっさりした動作は解消されることを狙います。

今回は、YAMAHAフォークオイルG10 油面145mmとしたところ、初期動作は、ノーマルよりスムーズに動くようになり、奥ではしっかり踏ん張る。期待していた伸びるスピードも上がり、ノーマルよりスッと戻るため、フロントアップしやすく、障害物を超える時などタイミングもとりやすくなりました。

※セロー250純正は、G15 油面125mm

フロントアップをやりやすくするカスタム関しては、こちらで紹介しておりますのでご確認ください➜セロー 250 カスタム トルクアップ大全

フォークオイル量は、1Lでフロント左右分足ります。

フロントフォークオイルの粘度比較
メーカー商品名粘度(mm2/s)=(cst)
40℃
YAMAHAフォークオイル G517.5
フォークオイル G1033.2
フォークオイル G1547.4
TGRフォークオイル5W : TRFO-0514
フォークオイル7.5W : TRFO-7520
フォークオイル10W: TRFO-1040
フォークオイル15W: TRFO-1556
フォークオイル20W: TRFO-2082
ショックオイルLight: TRSO-0110
ショックオイルMedium:TRSO-0220
ショックオイルHeavy:TRSO-0328
WAKO’SFK-01 ソフト15.4
FK-10 ミディアム33.6
FK-20 ハード53.4
OHLINSFrontForkFluid No.2.514.9
FrontForkFluid No.521.8
FrontForkFluid No.1038.4
highperformance R&T4318.2

リヤサス交換

今回は、実施しておりませんが、リアはノーマルをリバルビングか社外品に交換するとトレッキングやトライアル(ジャックナイフ、リアホップ)が楽しめます。

※体重や用途による設定が多数用意されているようです。各商品の取り扱い店へお問い合わせください。

OHLINSセロー250用タンク無しS36DR1L (GS1401)

OHLINSセロー250用リザーバータンク付き S36HR1C1L (GS1406)

TGR TEC-1.1 パフォーマンスショック(T111SEROW250)(トライアル専用)

TGR TEC-5.2 パフォーマンスショック(T521SEROW250)(トライアル専用)

スイングアームピボットニードルベアリング化

セロー250のスイングアーム付け根の摺動部は、ベアリングではなく樹脂製のブッシュだけでグリスさえ塗られていないことから、そのままではスイングアームの動きが悪いだけでなく、数年でピボットシャフトがサビて固着することもあります。

したがって、スイングアームピボット ニードルベアリング化により、タイヤがより地面に接地する状態になり、悪路や段差への追従性が向上します。

NTN ニードルベアリング シェル形針状ころ軸受 HK1816LL一台分必要数 4個

取り付けたベアリングとシャフトにはマルチパーパス(多目的)グリスをたっぷり塗ります。

おすすめのグリスは、FUCHS SILCOLENE フックスシルコリン PRO RG2 レーシンググリス 500gです。

ゴムやプラスチック以外のところはどこでも塗れます。例えば、フロントアクスル、リヤアクスル、スイングアームピボット、ステップ軸などに塗るとレーシンググリスなだけあって軽いです。特に体感できるのがステアリングベアリング部に塗るとステアリング操作がすごく軽くなります。その上、優れた極圧性・低フリクション性・防水性、高い融点の リチウムシリコングリースですので、ベアリング等の高負荷部分を 保護してくれるので、性能的にも優れていて安いのでとってもオススメです。

同様のカ所に良く使用されているグリスで有名なのが、WAKO’S HMG-U ハイマルチグリース M520 400g ちょう度 2号(通称:梅ジャム)ウレア系なので乳化し難く、水に強いです。もちろん、こちらも良いグリスですが、フックスシルコリン PRO RG2 レーシンググリスほど軽くなりません。

レーシンググリスの耐久性はあまり良くないですが、フックスシルコリン PRO RG2 レーシンググリスは山で走るぐらいなら問題ありませんでした。むしろ良かったので詳しくはこちらの記事を参考にしてください。➜セロー250 スイングアームピボットのニードルベアリング化2年後の状態確認

リヤサスのサグ出し

リヤサスのサグ出しとは、ライダーの体重に合わせて、リヤサス本来の性能を発揮させるために行うセッティングです。

一般的に国産バイクは、メーカー規定体重の65Kgで調整されております。実際に、セロー250のザグ出しを体重65Kgのライダーで行ったところ調整の必要はありませんでした。よって、65Kgより軽いライダーはバネが沈まないので、テンションを緩める。65Kgより重いライダーは沈みすぎるので、テンションを強くします。

サグ0G

公式
0G-1G=リヤホイールトラベルの1/3=サグ
セロー250のリヤホイールトラベル180mm

写真は、バイクをスタンドにかけて0Gでアクスルナット~ヘルメットホルダーの鍵穴までを計測して490mmです。次に、スタンドからバイクを降ろして、ライダーが乗車して足を浮かせた状態で同じ個所を計測して上の公式になるようリヤサスを調整します。

490mmー430mm=60mmになっていればOKです。

※フロントサスペンションを触ったらリアサスのサグ出し後、フロントフォークの突き出し調整をして、もう一度、リアサスのサグを確認して60mmなら完了です。

フロントフォークの突き出し調整

フロントフォーク突き出し0
フロントフォーク突き出し0

一般的にフロントフォークの突き出しは、0~10㎜ 以内です。

リヤサスが柔らかいチョッパー状態では、キャスター角が寝て曲がりにくくなるので、フロントフォークを突き出します。最大10mmまで。

例えば、リヤサスが硬いとキャスター角が立ちすぎて直進安定性が損なわれるので、フロントフォーク突き出しは0mmにします。

まとめ

使用車両:SEROW250 2017年 DG17J
ライダーの体重は、65Kgでのフロントサスペンショントレッキング・トライアルセッティングです。

  • DRC フロントフォークスプリング (品番:D35-01-343)
  • フロントフォークにスラストベアリング
    IKO 日本トムソンAS1629 スラストワッシャ 4枚
    IKO 日本トムソン NTB1629 スラストニードルベアリング 2枚
  • ZETA イニシャルアジャスター(ZE56-10524)
    イニシャル(プリロード):14mm(スラストベアリング4mm含む)
  • YAMAHAフォークオイルG10 油面145mm
  • リヤサスのサグ出し
    セロー250のサグ=0G-1G=60mm
  • フロントフォークの突き出し調整
    0mm
  • スイングアームピボットニードルベアリング化
    NTN ニードルベアリング シェル形針状ころ軸受 HK1816LL一台分必要数 4個
    FUCHS SILCOLENE フックスシルコリン PRO RG2 レーシンググリス

トライアル設定はハードスプリングに粘度の低いオイルを使用し、油面は少し下げる。ハードスプリングにより縮み側はノーマルよりしっかりして、ぐにゃぐにゃ沈み込まなくなり、粘度の低いオイルを使用し、油面は少し下げることで、(縮みやすく伸びやすい) 伸びるスピードは速くなるため、沈んだ後すぐに戻る感じが強くなり、ノーマルとは段違いの良く動くサスペンションになりますのでお試しください。

では、愛車セローのメンテナンスが完了したら旅やツーリングを楽しんでください。

セロー 250 良く動くフロントサスペンションカスタム

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