セロー250スイングアームピボットのニードルベアリング化2年後の状態確認

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悩んでいる子ねこ

スイングアームピボットをニードルベアリング化して走行した感触は良くなったのですが、2年経ってグリスやベアリングの状態が心配です。

ねこ先生

この記事ではリヤホイル、スイングアーム、リレーアームの取り外し手順とベアリングの状態確認を写真付きでご案内します。

使用車両:SEROW250 2017年 DG17J

スイングアームピボットのニードルベアリング化から2年後約3,200km走行したスイングアームとリンクユニット(リレーアーム)の状態を分解して確認およびグリスアップする作業を紹介します。

ちなみにグリスは1種類しか使用していないので、「分解➜清掃及びスイングアーム各部点検、シャフト曲がり点検➜グリスアップ➜組付け」と手間がかからない作業にしてあります。

セロー250のスイングアーム付け根の摺動部は、ベアリングは入っておらず樹脂製のブッシュのみでグリスさえ塗られていなかったことから、スイングアームピボットのニードルベアリング化により、タイヤがより地面に接地する状態になり、悪路や段差への追従性が向上することを体感できました。

ニードルベアリング HK1816LL
スイングアームピボットのニードルベアリング化後

この記事に使用したセロー250リヤ足回り整備記録

年/月走行距離(㎞)実施整備
2017/04  1新車購入
2019/074,700スイングアームピボット ニードルベアリング化
2022/047,950スイングアームとリレーアームのグリスアップ
今回の記事

この記事に使用したセロー250の使用環境

  • 新車購入から3年間は屋根付きのガレージに駐車しておりましたが、その後今回のグリスアップまでの2年間は青空駐車でした。
  • 使用状況はオンロード雨天走行、ガレ場、激しめの林道走行、ヒルクライム、ダート走行を行いその際深い水たまりへは気兼ねなく入水している程度です。
  • ぼっちライダーですのでオフロードコース、川の中、雨天時ドロドロのオフロード走行は行っておりません。

それでは、作業を紹介して参ります。

目次

手順

スイングアーム・リンクユニット(リレーアーム)のボルトはすべて右側から差してあります。

分解手順

手順
バイクスタンドに載せる。
オフロードスタンドに乗せる

エア(電動)インパクト工具がない場合は、スタンドに乗せる前に締め付けトルクの高いリヤアクスルナットやスイングアームピボットナットを緩めておく必要があります。

ついでにリレーアームボルト3本とも緩めておくと安全です。

この記事で使用したバイクスタンドはダートフリークUNITのUN-A2110です。

低価格でフルサイズモトクロッサーに対応した高さ420mmと重たいトレールバイクを載せるにはサイドスタンドにアテギをかませてと少し大変ですので、トレール用のリフトスタンドの方が楽で安全です。

手順
リヤホイルを取り外す。
リヤタイヤを外す

アクスルシャフトを取り外す。チェーンをリヤスプロケットから外してリヤホイルを取り外す

使用レンチサイズ

  • アクスルボルト22㎜
  • アクスルナット19㎜
手順
リヤブレーキキャリパーをスイングアームから取り外す。
Rrブレーキキャリパーを引っ掛けておく

①キャリパーカバーを取り外す。

使用レンチサイズ

  • 六角4㎜

②Rrブレーキキャリパーは作業の邪魔にならないように引っ掛けておく。

手順
チェーンケース・チェーンガイドなどを外す。
手順
リレーアームを取り外す。
リレーアームボルト取り外し順序

ボルト取り外し順序

①➜②➜③➜④

③、④のボルトが外しにくい場合は①、②のボルトのみ取り外してスイングアームを先に取り外すことも可能です。

手順
スイングアームを取り外す。
スイングアーム取り外し

手順通り取り外していれば矢印のナットを緩めてピボットシャフトを引き抜くとスイングアームを取り外せます。

スイングアーム取外し直後左側

スイングアーム取外し直後(左側)

スイングアームダストカバーを外した所左側

スイングアームのダストカバーを外した所(左側)

スイングアームとリレーアーム

スイングアームとリレーアームのカラー(スペーサー)を抜いた所

スイングアームピボットをニードルベアリング化して2年後3,200km走行した状態確認

スイングアームニードルベアリングの確認

油切れしているのはリヤホイールアクスルの右側のカラー

リヤホイールアクスルの右側のカラー外側だけ油切れしておりますがここはしょうがないです。

ニードルベアリング HK1816LL

ニードルベアリング化から2年後約3,200km走行した状態です。グリスの痛みもなく非常に綺麗です。

ピボット部には片側2個づつ計4つのNTN ニードルベアリング シェル形針状ころ軸受 HK1816LLを圧入してあります。

外側に付いている黒いブッシュは純正のブッシュですがニードルベアリングを入れておりますので適当な長さに短く切ってフタとして取り付けております。

※初めて分解する場合、黒い純正ブッシュは元々長いので取外しには少し苦労することもあるようです。こちらのセローは適当なサイズのラッチェット用ソケットで簡単に打ち抜けました。

NTN ニードルベアリング シェル形針状ころ軸受 HK1816LL一台分必要数 4個

スイングアームとリレーアームのカラー

スイングアームとリレーアームのカラー(スペーサー)もグリスの痛みもなく非常に綺麗です。

リレーアーム部の確認

リレーアームとサスペンションベアリング取り外し直後

車体と繋がるリレーアームの純正ベアリング部を清掃中エアーで吹かした所、ベアリングの樹脂製の保持器が傷んでいたのか強いエア圧で壊してしまったのかわかりませんが写真の状態になりました。

※それとこの部分のカラー(スペーサー)だけ少し焼けてました。

リレーアームとサスペンションベアリング傷んだ保持器除去

カラー(スペーサー)、ベアリングコロ、保持器を取り外したところ

純正部品番号です交換するなら参考にしてください。

  • ベアリング
    部品No.:93315-31750 
    定価税込1,914(2023年2月調べ)
  • オイルシール2個
    部品No.:93109-17071
    定価税込264×2(2023年2月調べ)
  • カラー(スペーサー)
    部品No.:90387-126X9 
    定価税込1,958(2023年2月調べ)
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リレーアームとベアリングコロとカラー

リレーアームとベアリングコロとカラー(スペーサー)。

個人の判断でべアリングの樹脂製の保持器を取り除きコロだけ入れて再使用することにしました。

リレーアームベアリング部コロを入れグリスとカラー半挿入

リレーアームベアリング部にコロを入れグリスを塗ってカラー(スペーサー)を挿入して動きを確認しましたが、保持器がなくてもコロの動作に異常はないようです。

シャフト曲がり点検

シャフト曲がり点検

シャフトを定盤の上で転がして曲がりがないことを確認しました。

グリスアップ及び取り付け

スイングアームにグリースニップルの取り付けに興味がある方は同時に作業を行うと効率が良いです。

グリスアップ

シャフト、カラー(スペーサー)類のグリスアップ

シャフト類グリスアップ

車体やショックアブソーバーの接続部をグリスアップしてリレーアームを取り付けた所

車体やショックアブソーバーの接続部もグリスアップ

取り付けるベアリング、カラー(スペーサー)、シャフトにはマルチパーパス(多目的)グリスをたっぷり塗ります。組み上げてはみ出た所は綺麗に拭き取ってください。

おすすめのグリスは、FUCHS SILCOLENE フックスシルコリン PRO RG2 レーシンググリス 500gです。

ゴムやプラスチック以外のところはどこでも塗れます。例えば、フロントアクスル、リヤアクスル、スイングアームピボット、ステップ軸などに塗るとレーシンググリスなだけあって抵抗が少なく手で動作させても軽いです。

サービスマニュアル指定のグリスは極圧性能の良い二硫化モリブデングリースの指示ですが、前回FUCHS SILCOLENE フックスシルコリン PRO RG2塗布して塗布部に腐食が見られなかったことから耐久性、防水性が良いことが良くわかりました。また、レーシンググリスですので摺動も軽かったです。

今回もFUCHS SILCOLENE フックスシルコリン PRO RG2でグリスアップを行いました。

ゴムやプラスチックには不向きのグリスですが、今回塗布するシールやカラー類は耐油性がありますのでこちらのグリスで大丈夫です。

また、ステアリングベアリング部に塗るとステアリング操作がすごく軽くなります。その上、優れた極圧性・低フリクション性・防水性、高い融点の リチウムシリコングリースですので、ベアリング等の高負荷部分を 保護してくれるので、性能的にも優れていて安いのでとってもオススメです。

同様のカ所に良く使用されているグリスで有名なのが、WAKO’S HMG-U ハイマルチグリース M520 400g ちょう度 2号(通称:梅ジャム)ウレア系なので乳化し難く、水に強いです。もちろん、こちらも良いグリスですが、フックスシルコリン PRO RG2 レーシンググリスほど軽くなりません。

リレーアームとスイングアームの取り付け

リレーアームとスイングアームの取り付けは、この記事の分解手順と反対に取り付けます。

シャフト取り付け案内

リレーアームにはカラー(スペーサー)3本挿入済み

シャフト取り付け案内

リヤホイルまで組付けた後は、リヤサス本来の性能を発揮させるためにリヤサスのサグ出しまで行うことをおすすめします。リヤサスのサグ出しについてはフロントサスペンションのセッティングと共にご確認いただけるこちらの記事で➜セロー250 良く動くフロントサスペンションカスタム

まとめ

今回スイングアームピボットのニードルベアリング化して2年後3200Km走行した状態確認を行って思っていた以上に状態が良かったので、メンテナンス期間は2~3年、走行距離4000~5000Kmで行えば問題ないようです。

車体と繋がるリレーアーム純正ベアリング部とカラー(スペーサー)は状況に応じて交換が必要かもしれません。

リヤホイールアクスルのカラーだけは2年おきにリヤシャフトをを外してグリスアップしておく方良いようです。

フロントアクスルのグリスアップについてはこちらでご確認いただけます。➜セロー250 良く動くフロントサスペンションカスタム

最後に愛車セローのちょっとしたメンテナンススペースや盗難防止にお困りの方にできるだけご近所のレンタル倉庫が見つかるよう2つのレンタル倉庫検索サイトのリンクバナーを貼っておきますのでご利用ください。

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