「理想の棚が見つからない」なら、作ればいい。2.5万円で叶える理想の書斎DIY
「既製品の棚ではサイズが合わない」「足元に脚があると邪魔」……。 そんな悩みを持つ大人の皆様へ。 今回は、**棚部分の予算約2.5万円で、シンプルかつ頑丈な「フローティングシェルフ(浮き棚)」**をDIYした記録をご紹介します。
「壁への穴あけ」を恐れる必要はありません!
賃貸や新築で壁に穴を開けるのを躊躇していませんか?実は、壁の穴はパテで埋め、壁紙を張り替えれば簡単に復元できます。 プロに頼んでも6帖で3〜5万円程度、DIYならさらに安価に修復可能です。将来の復元を心配して今の快適さを諦めるのはもったいない!勇気を出して、理想の環境を手に入れましょう。
1. 準備:材料と予算(2021年時点)
| カテゴリ | 詳細 | 価格(税込) |
| 棚材 | パイン集成材 (4200×600×30mm) ※3カット込 | 17,380円 |
| 接合材 | 雇いざね用ベニヤ (12mm厚・端材) | 99円 |
| 固定具 | メッキアングル / カラーアングル (3×30mm) | 約3,300円 |
| ビス類 | コーススレッド、皿ビス各種 | 数百円 |
【ポイント】
木材はホームセンターではなく、地元の**「材木屋さん」**で購入するのがおすすめです。今回お世話になった「竹広林業(小田原)」さんのように、大型材の取り扱いやカットに対応してくれる店舗が多く、意外と個人にも親切です。


※メッキアングルとカラーアングルを買った理由は、ホームセンターの在庫が無かったのでサイズの同じアングルを購入しただけです。
2. 下地探しと設置の要
棚の強度は「壁のどこにビスを打つか」で決まります。
1.レーザー墨出し器で水平ラインを決定。


2.壁裏のビス位置から間柱を探し出します。ここで活躍するのが「下地探し どこ太(マグネット付)」です。窓枠の両脇に柱と450mm間隔で間柱が入っていることが分かりました。

3.アングルを仮置きし、下穴を開けてから、4.8×75mmのコーススレッドでしっかり固定します。棚に使用したアングルは全部で写真の4本です。


3. 加工のステップ:金属パーツの準備
まずは棚を支えるアングルの加工から始めます。
1.カット: チップソー切断機で必要な長さにカット。火花が少ないチップソーは自宅作業に最適です。


2.穴あけ: 壁固定用(5mm)と棚板固定用(3mm)の穴を開けます。



3.皿取り: ビスの頭が平ら(ツライチ)になるよう、面取り錐で加工します。


4.塗装: サンダーでアシズケして脱脂後、サーフェーサーとパールホワイトのスプレーで塗装。見えない部分は多少のムラも「味」として楽しみます。


4. 棚板の加工と仕上げ
面取り、ペーパーがけ
80番で面取りし、400、800、1000番で表面を整えました。


雇いざね(やといざね)接合
広い棚板を作るため、2枚の板を「雇いざね」という技法で繋ぎました。溝にベニヤを挟むことで、強固に連結できます。





棚のヒンジを兼ねた上下の棚の接合

美しく見せるひと工夫
ザグリ加工
ビスを打ち込む箇所は10mmのキリで掘っておき、ビス頭が見えないように処理しました。


コーキング
壁との隙間を「ヤヨイ化学 ぺネット」などで埋めることで、ゴミの侵入を防ぎ、既製品のような仕上がりになります。

乾く前にマスキングを剝がします。

蜜蝋ワックス・オイル(ブライワックスやワトコオイル)で保護
仕上げにお好みのオイルを塗布。パイン材の木目が美しく引き立ちます。

5. 完成:広々とした作業スペース
Before
物が溢れ、足元も窮屈だった部屋が……

After
脚が一本もない、宙に浮く巨大なワークデスクと棚が完成!

足元がフリーになるだけで、掃除が楽になり、部屋が広く感じられます。浮いた予算で、中古の「オカムラ コンテッサ」を修理して導入したり、お気に入りの万年筆で日記を書く余裕も生まれました。
まとめ:DIYで自分だけの聖域を 予算5万円以内(棚2.5万+机2万)で、ここまで環境は変わります。集成材はヒノキのような高級感こそありませんが、規則正しい木目が美しく、機能美に溢れています。



